最近、注目されているキーワードに「セールスエンゲージメント」があります。
その名の通り、営業活動を通じて顧客と深いつながりを構築することであり、それを実現するツールも次々と開発されています。
本記事では、セールスエンゲージメントとは何か?なぜ注目されているのか?といった概要から、「セールスイネーブルメント」「CRM」との違い、具体的なツール紹介など、網羅的に解説します。
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この記事の内容
セールスエンゲージメントとは?
セールスエンゲージメントとは、営業活動などの企業からのアプローチを通じて顧客と深い関わり合いを構築することです。そこから意味が広がり、セールスエンゲージメントを実現するためのツールやプラットフォームなども「セールスエンゲージメント」と呼称されています。
営業部門でよく使われているMA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)などのツールとは特徴や機能が異なります。
セールスエンゲージメントはこれらのツールのデータを統合して分析を促進し、顧客ごとのエンゲージメントを可視化することが可能です。
現代のように市場にモノやサービスがあふれ、顧客のニーズが多様化している状況においては、セールスエンゲージメントを活用して顧客と深くつながりあいLTV(顧客生涯価値)を高めていくことが重要と言えるでしょう。
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セールスエンゲージメントが普及してきた背景
それでは、なぜセールスエンゲージメントが普及してきているのでしょうか。その背景について解説します。
SDRは一度のコンタクトのために最低3つ以上の連絡チャネルを使う
インターネットやスマートフォンの普及により、企業のアプローチ方法は多様化しています。従来のような電話やDMなどに加え、メール・SNS・チャット・オンライン会議などのオンラインでのタッチポイントが増え続けています。
この影響を特に受けているのが、リードからの問い合わせや資料請求を営業活動へと進展させるSDR(反響型)のインサイドセールス部門です。
リードのアクションやニーズに合わせてタッチポイントを柔軟に変え、リードに最適なアプローチをしなければなりません。
Gartner社のTOPO SDR Benchmark Reportによると、営業チームの 80% が少なくとも3つのチャネルを使用し、リード1人あたり少なくとも 15.5 回のコミュニケーションを取っているそうです。
参照:Sales Engagement: The Definitive Guide for Platform Selection
しかし、人手による作業は時間も手間もかかります。そのため、複数のチャネルでのコミュニケーションを一元管理し、1人ひとりに最適なアプローチ方法を自動化するセールスエンゲージメントの重要性が高まっているのです。
B2Bの購買者の78%は営業に信頼できるアドバイスを求めている
インターネットの普及によりリードは自身で情報収集ができるようになりました。今やインターネットで調べるとほとんどの情報が出てくるため、従来のように営業担当者による情報提供は必要なくなっています。
それでは、顧客は営業にどのようなことを求めているのでしょうか。
Salesforce社の調査によると、B2Bの購買担当者の78%は、ニーズや業界の専門知識を持ち合わせた信頼できるアドバイザーとなる営業担当者を求めているという結果が出ています。
参照:New Report: 5 Ways Businesses Can Meet Expectations Of The Connected Customer
このことからも、顧客は営業担当者との信頼関係を求めていることがわかります。つまり、営業を通じて顧客との関係性を深めるセールスエンゲージメントが重要視されているのです。
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購買者は営業のサポートが不十分だと購買中止の可能性が2.7倍
B2Bの場合、営業の成果を上げるためにはリードタイムにも目を向けなければなりません。なぜならB2Bは社内での稟議や承認などがあり、意思決定に関わる人物も多いため、購買プロセスが複雑化しやすいためです。
そのためB2Bの購買担当者は、営業担当者に対して適切なサポートも求めています。
当社・株式会社マツリカの調査でも、営業のサポートが不十分だと購買を中止する確率が2.7倍にもなるという結果が出ています。
このリスクを軽減するには、手厚いサポートが必要不可欠です。したがって、顧客ごとに最適なアプローチを行って購買プロセスを進めるサポートをするため、セールスエンゲージメントが必要となっています。
セールスエンゲージメントとセールスイネーブルメントの違い
セールスエンゲージメントと混同されやすい言葉に「セールスイネーブルメント」があります。
どちらも営業活動を通じて売上を最大化することを目的としていますが、両者には明確な違いがあるのです。
それぞれの言葉の意味を理解し、違いを把握しましょう。
セールスエンゲージメント―顧客との関係性強化
一方のセールスエンゲージメントは、これまで述べてきた通り、顧客と深い結びつきを構築する手法、そして実現するためのツールを指します。
さまざまなタッチポイントを使った顧客とのコミュニケーションを一元管理し、顧客とどのようにつながるか、どのように関係性を構築するか、に重点を置いた取組みです。
言うなれば、セールスイネーブルメントは営業組織を強化して成果につなげることに対し、セールスエンゲージメントは顧客との関係性を強化して成果につなげることと言えるでしょう。
セールスイネーブルメント―営業組織の強化
セールスイネーブルメントとは、端的に言うと「営業組織を強化するための取組み」です。
もともと、営業組織が成果を出すためには、以下のように社内でも異なる視点で取り組んでいました。
- 営業部門:営業戦略設計や営業プロセス構築
- 人事部門:営業担当者の採用や育成
- 情報システム部門:営業で利用するシステム設計やツール運用
- 総務部門:会社案内や商品パンフレットなどの販促物の制作
このように部門によって分断されていると、連携がうまくいかず成果につながりにくくなります。
そこで、営業の成果につながる取組みを、部門を横断して一連の流れとして広い視野で取り組んでいく「セールスイネーブルメント」が誕生しました。
セールスイネーブルメントを実現することで、各担当者の営業力を底上げし、営業組織を強化していくことができます。
尚、セールスイネーブルメントの詳細はこちらの資料内で詳しく解説しています。
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関連記事:セールスイネーブルメントとは?意味や事例・運用方法を紹介
セールスエンゲージメントツールとCRMとの違い
セールスエンゲージメントとセールスイネーブルメントの違いだけでなく、CRMとの違いについても理解しておくと良いでしょう。
関連記事:セールスイネーブルメントツール比較15選【2024年最新版】カテゴリー解説あり
CRM―顧客関係管理
CRMは「Customer Relationship Management」の略で、直訳すると「顧客関係管理」となります。顧客との関係性を構築するための手法やツールを指すので、セールスエンゲージメントと同義かと思われがちですが、両者には違いがあります。
CRMは顧客の氏名や連絡先の基本情報や購買履歴など、顧客に紐づくさまざまなデータを管理します。それらのデータから、顧客のニーズや購買傾向などを分析し、ネクストアクションの立案につなげます。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説
セールスエンゲージメントツール―顧客との関係性を構築・強化
一方のセールスエンゲージメントツールは、CRMを含む多様なツールと連携し、それぞれのデータを同期・統合させて、より分析を加速します。分析結果をもとに最適なネクストアクションを提案してくれたり、顧客ごとのエンゲージメントスコアを可視化したりする機能をもつツールもあります。
このように、CRMはどちらかと言うとデータの蓄積や一元管理に強いですが、セールスエンゲージメントはデータの分析結果からより効果的なアクションにつなげる機能に強いと言えます。
CRMやSFAへのデータ入力が社内で浸透しない
従来のCRM/SFAでは、営業が顧客に対して行ったコミュニケーション(メール・電話・オンライン商談・訪問記録)の内容を社内の管理のために営業活動とは別に入力する必要があり、これが二重記載や手間を生み出していました。その結果、営業が全ての活動をCRM/SFAに入力することができず、結果としてCRM/SFAにデータが貯まらないという問題を抱えている企業様も多く存在します。
セールスエンゲージメントツールを活用することで、営業が営業活動に集中できるようになり、社内にデータを蓄積する体制を構築できます。
セールスエンゲージメントを導入する3つのメリット
セールスエンゲージメントツールを導入することで、以下の3つのメリットが期待できます。
①チーム内での情報共有・活用ができる
営業活動は営業担当者が個々に動くことが多いため、属人化しやすい部門でもあります。属人化してしまうと情報共有が滞り、重複して同じ顧客にアプローチしたり、「誰かが対応しているだろう」と放置してしまったりするリスクをはらんでいます。
しかしセールスエンゲージメントを導入すると、チーム内で誰が・いつ・どのチャネルで・誰にアプローチしたかというデータが残ります。そのためチーム内での情報共有が促進し、属人化を防ぐ効果があります。
また、蓄積されたデータを活用し、自社の顧客層やニーズを分析できます。分析結果は新商品の開発や既存サービスのブラッシュアップ、マーケティング戦略や営業戦略の立案に役立てられるでしょう。
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②顧客に合わせたコミュニケーションが取れる
セールスエンゲージメントを導入すると、顧客ごとのニーズやライフスタイルなどを分析できます。その結果を活用して、顧客にパーソナライズしたコミュニケーションを取ることが可能です。
不特定多数に対して画一的なアプローチを行っても、顧客は一人ひとりニーズが異なるため、すべての顧客の購買意欲を刺激できません。
しかしパーソナライズして顧客に合わせたコミュニケーションが取れれば、顧客の満足度も向上してエンゲージメントが高まるでしょう。
③受注確率の向上に寄与する
セールスエンゲージメントの導入により、チーム内の情報共有が促進したり、パーソナライズしたコミュニケーションが取れたりするメリットがあります。その結果、顧客のエンゲージメントが向上し、受注確度も高まるでしょう。
受注確度が高まった段階で商談を創出すれば、フィールドセールスは優先すべき商談に集中できます。「せっかく訪問したのに、顧客の関心度が低くて失注した」といった事態を防ぎ、効率的に受注率を伸ばしていけるでしょう。
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セールスエンゲージメントツール
それでは、ここからはセールスエンゲージメントに役立つツールを紹介します。
DealPods(ディールポッズ)|日本初のデジタルセールスルーム
DealPodsとは、デジタルセールスルームという営業と顧客のためのオールインワン商談情報共有ツールです。DealPodsを活用することによって、商談にまつわる情報を1つのページに集約することが可能になります。その結果、購買体験は向上し、営業の失注リスクが低減することで、受注率を向上させることができるセールステックです。
本サービスは、最新・最適な営業資料の社内管理から顧客共有ページ内での提案、提供コンテンツのトラッキング・効果検証までをオールインワンで提供し、営業活動におけるあらゆるコンテンツデータ・人物データ・商談データを取得・蓄積します。
Salesforceの連携機能によって、顧客へのコミュニケーションとCRM/SFAの入力の活動が別々になってしまうという問題を解決することで、さらに営業が営業活動に集中できるようになり、社内にデータを蓄積する体制を構築することができます。
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プロダクトページ:https://product-senses.mazrica.com/lp-enterprise-sales-dealpods-lab-io
Mazrica Sales|セールスエンゲージメントも可能なSFA/CRMツール
SFA/CRMとして豊富な機能をもつMazrica Salesですが、セールスエンゲージメントの要素も含んでいます。
Mazrica SalesはMAツールや名刺管理ツール、スケジュール管理ツールなど、さまざまなツールとの連携が可能です。その結果、複数のツールに分散している情報をMazrica Sales内に集約し、分析・共有ができます。
また「セールスエンゲージメントツールとCRMとの違い」の章において、CRMはデータの蓄積・一元管理に強く、セールスエンゲージメントはデータの分析結果の活用が得意だと述べましたが、Mazrica Salesはデータの蓄積だけでなく分析・活用にも強みがあります。
Mazrica Salesは現場ファーストを掲げ、営業がより営業業務にフォーカスしやすいようなデータ活用の仕組みを多く作っています。たとえば、過去の蓄積してきたデータをもとにしてAIが案件の受注確度を予測したり、ネクストアクションのレコメンドを行ったりします。
また、自社案件を一覧表示する案件ボードでは、最終アクション日からの経過日数に応じて自動で色分けされます。そのため停滞案件を素早く見つけ出し、優先的にアプローチすべき案件を示唆する効果もあります。
このように、SFA/CRMとして知られるMazrica Salesですが、実はセールスエンゲージメントとしても活用できるのです。
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Magic Moment Playbook|顧客のエンゲージメントの可視化が可能
顧客のエンゲージメントを可視化できる「Magic Moment Playbook」。データの収集・分析と、分析結果に基づいた売上予測とネクストアクションの提案を得意とするセールスエンゲージメントツールです。
各種CRM・MAツールなどとのスムーズな連携により顧客情報をリアルタイムで把握できるだけでなく、ネクストアクションの提案もリアルタイムで反映されるので、営業チャンスを逃しません。
高度な分析により、ボトルネックの把握と的確なフィードバックができる点も魅力です。
プロダクトページ:https://lp.magicmoment.jp/magic-moment-playbook
BALES CLOUD | インサイドセールスの成果を最大化するセールスエンゲージメントツール
BALES CLOUD(ベイルズ クラウド)は電話営業やインサイドセールス業務の型化、自動化を実現することで成果を最大化するセールスエンゲージメントツールです。だれでも簡単にすぐに使えるような直感的なUI/UXが特徴で、業務コスト削減と“今よりも売れる営業チーム“を実現します。
MiitelやZoom Phone、Salesforceとも連携しており、営業シナリオの自動化やAIによるメール作成、充実した数値レポート機能など、インサイドセールスに必要な機能が全て揃っています。
プロダクトページ:https://bales.smartcamp.co.jp/bales-cloud
ailead|WEB会議ツールやSFAなどとの連携が可能
WEB会議ツールやSFAなどと連携して使える「ailead(エーアイリード)」。AIがオンライン商談のデータを解析し、自動で文字起こしを行います。
Microsoft Teams、Zoom、Google Meetに対応しており、それらのツールで商談を行うと商談情報がailead上に自動登録され、外部のSFAにも自動で同期されます。
今までオンライン商談を行うとデータの移行や文字起こしなどで多くの工数がかかっていましたが、それらの手間を削減してデータを統合・分析できます。
プロダクトページ:https://www.ailead.app/
Outreach|コミュニケーションサポート機能付きのセールスエンゲージメントツール
「Outreach(アウトリーチ)」は、メールやソーシャルなどさまざまなチャネルでのコミュニケーションをサポートするセールスエンゲージメントツールです。
AIによるネクストアクションの提案、オンライン商談でのフォローなど、営業担当者をサポートする機能も充実しています。
2022年11月時点、日本語版は提供されていないため英語版のみとなります。外資系企業や、英語を社用語としている日本企業などにおすすめと言えるでしょう。
プロダクトページ:https://www.outreach.io/
Salesloft|さまざまなセールスエンゲージメント機能を持包括したツール
「Salesloft」は「Cadence」「Deals」「Conversation」といったセールスエンゲージメントに役立つツールを包括したプラットフォームです。
営業アプローチの自動化、営業トークのブラッシュアップ、案件管理や売上予測などを行うことができ、営業の質を改善しながらエンゲージメントを高めていくことができます。
Salesloftも2022年11月時点では日本語版は提供されていません。
プロダクトページ:https://salesloft.com/
セールスエンゲージメントツールの主な機能
ツールによって機能は異なりますが、主に以下のような機能が搭載されています。
- リード/既存顧客の情報管理:連絡先やアプローチ履歴、購買履歴などの情報を蓄積・一元管理
- マルチチャネルによるコミュニケーションのサポート:ワークフローの自動化やテンプレートの生成
- 外部ツールとの連携:MA、CRM、SFAなどの外部ツールと連携して情報を自動同期
- 分析:蓄積データや外部データなどから、担当者の活動や売上などを分析
- ネクストアクションの提案:過去のデータから最適なネクストアクションをレコメンド
ほかにも、ツールによってさまざまな機能が搭載されています。
自社にとって必要な機能を見極め、最適なツールを選択しましょう。
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セールスエンゲージメントは、営業活動を通じて顧客のエンゲージメントを高めていくこと、および実現するためのツールを指します。
顧客のエンゲージメントを高めるツールをいくつか本サイトでは紹介しましたが、中でもおすすめはDealPods(ディールポッズ)です。
DealPods(ディールポッズ)は、DSR(デジタルセールスルーム)ツールとしての機能を多数備えていますが、データの分析・活用を始めセールスエンゲージメント向上にも貢献できる機能が搭載されています。
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