新たな売上を生み出すには、新規顧客を開拓し、商談を重ねて受注につなげることが不可欠です。しかし、営業アプローチが適切でなければ、いくら営業活動をしても成果には結びつきません。
近年、顧客の購買行動や意思決定のプロセスが変化し、従来の営業手法では成果が出にくくなっています。そのため、多くの企業が営業アプローチの見直しを迫られています。
では、アポイントを獲得しやすい営業アプローチとはどのようなものなのでしょうか。また、商談から受注につなげるために必要な戦略とは何か。
本記事では、営業担当者が直面するこれらの課題に焦点を当て、自社に最適な営業アプローチを見直すためのヒントを提供します。
この記事の内容
営業アプローチとは
営業アプローチとは、主に見込み顧客に対するファーストコンタクトを意味し、営業の初期段階で顧客との接点を持つための行動です。
電話、メール、訪問、イベント、SNSなどを使って接触しますが、新規顧客だけでなく既存顧客に対しても行われます。
関連記事:新規開拓営業とは?営業手法とうまくいかない時の対処方法
ソリューション営業とインサイト営業の違い
営業手法には「ソリューション営業」と「インサイト営業」があり、それぞれアプローチの仕方が異なります。
ソリューション営業は、顧客が認識している課題に対して最適な解決策を提案する手法です。
一方、インサイト営業は、顧客自身が気づいていない潜在的な課題を発見し、それに対する解決策を提示する営業スタイルを指します。
近年、インターネットの普及により、顧客は自ら情報を収集し、明確な課題については自力で解決策を見つけやすくなっています。そのため、営業担当者には、顕在化した課題への対応だけでなく、顧客がまだ気づいていない問題を見つけ出し、提案するスキルが求められます。
こうした変化に対応するためには、営業アプローチの手法も進化させ、よりインサイト営業的な視点を取り入れることが重要です。
顧客の本質的な課題を見極め、それに基づいた提案ができるかどうかが、営業成果を左右する大きなポイントとなります。
関連記事:インサイト営業とは?従来の営業との違い・メリットや3つの成功事例を紹介
営業アプローチの流れ
営業アプローチを成功させるためには、顧客の関心を引き、効果的に商談へとつなげることが重要です。
どれほど優れた商材であっても、適切なターゲットに適切な方法でアプローチできなければ、見込み客として認識されることはありません。ここでは、営業アプローチの基本的な流れを解説します。
ターゲットの選定
営業活動の第一歩は、自社の商品やサービスに適した業種や市場を特定することです。次に、アプローチするエリアや企業の規模を設定し、営業リソースを考慮しながらターゲットを絞り込みます。
例えば、対面営業が主軸の場合は移動可能な範囲内の企業を優先し、オンラインでの商談が可能であれば、遠方の企業もターゲットに含めることができます。
また、ターゲットとする市場規模を把握し、どの程度の企業数があるのかを分析することで、営業活動の戦略をより明確に立てることができます。
ペルソナの設定
営業活動の第一歩は、自社の商品やサービスに適した業種や市場を特定することです。次に、アプローチするエリアや企業の規模を設定し、営業リソースを考慮しながらターゲットを絞り込みます。
例えば、対面営業が主軸の場合は移動可能な範囲内の企業を優先し、オンラインでの商談が可能であれば、遠方の企業もターゲットに含めることができます。
また、ターゲットとする市場規模を把握し、どの程度の企業数があるのかを分析することで、営業活動の戦略をより明確に立てることができます。
アプローチ手法の選択
ターゲットとペルソナを明確にしたら、それに適した最適なアプローチ手法を選択します。
電話やメール、訪問、ウェビナー、SNS、ダイレクトメッセージなど、手法は多岐にわたりますが、ターゲットの特性に合わせた手段を選ぶことが成功の鍵となります。例えば、経営層へのアプローチには紹介やセミナーが有効な場合が多く、担当者レベルではメールや電話の方がスムーズなケースもあります。
適切なアプローチ手法を選択し、ターゲットの関心を引き出すことで、商談へとつなげる確率を高めることができます。次章では、新規顧客と既存顧客のそれぞれに対してのアプローチ手法について解説します。
アプローチ手法の種類【新規顧客向け】
アプローチの流れが掴めたところで、次に具体的なアプローチ手法について解説します。
先述の通り、ターゲティングに合わせて適切なアプローチ手法を選択することが大切です。
テレアポ
テレアポは、ターゲットに直接電話をかけて商材を紹介する手法です。顧客の反応をリアルタイムで確認しながら柔軟に対応できるため、アポイントを獲得しやすいという利点があります。
さらに、運が良ければ決裁権を持つキーパーソンと直接連絡が取れる可能性もあります。
一方で、電話がすぐに切られてしまうリスクがあるほか、多数のターゲットに対して連続してかける必要があるため、時間とコストがかかる場合もあります。
関連記事:テレアポとは?仕事内容・流れ・コツ11選【チェックシート付】
メール営業
メール営業は、顧客リストに基づいて商材に関する情報をメールやFAXで送付する手法です。
この方法は、比較的少ないリソースで一度に多数の企業にアプローチできる点が魅力です。
添付資料やデモ動画を活用できるため、商材の理解を促進する効果も期待できます。ただし、実際にはメールの開封率や返信率が低いことが課題となり、効果を上げるためには工夫が必要です。
関連記事:営業の後追いメールの書き方|種類別の例文・フレーズも
問い合わせフォーム営業
問い合わせフォーム営業は、企業のウェブサイトに設置されている問い合わせフォームを活用して行う手法です。
メッセージが直接企業に届くため、メールに比べて開封率が高く、返信があった場合には顧客のニーズが明確になりやすいのが特徴です。この手法は、迅速なニーズの把握と商談へのつなげやすさという点で有効です。
セミナー
セミナーは、自社の商材をプレゼンテーションする講演会を開催し、見込み顧客との接点を持つ手法です。参加者は既に商材に興味を持っていることが多いため、成約につながる確率が高い点が大きな魅力です。
さらに、自社の強みを十分にアピールできるとともに、「参加者限定キャンペーン」などの特典を設けることで、購買意欲をさらに高めることが可能です。
反面、セミナーの開催には事前の準備や広告費、会場費などのコストがかかるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。
飛び込み営業
飛び込み営業は、顧客の元へ直接訪問して対面で商材を紹介する手法です。
対面でのやり取りは、決裁権を持つ担当者に直接アプローチできる可能性があるとともに、繰り返し訪問することで信頼関係を構築しやすい点が強みです。
しかし、訪問には多くのリソースと時間が必要であり、訪問自体が拒否されるリスクもあるため、慎重な判断が求められます。
関連記事:飛び込み営業を成功させる16のコツ|実際の流れに沿って解説
展示会
展示会への出展は、自社の商材を広く紹介し、これまで接点のなかった新規顧客と出会う機会を提供します。
展示会では、実際に商材に触れてもらえるため、興味を持った顧客からの問い合わせにつながりやすいという利点があります。
しかし、出展費用やその他の関連コストがかかるため、費用面とのバランスをしっかりと考慮する必要があります。
取引先からの紹介
リファラル営業は、既存顧客や知人からの紹介を活用して新規顧客にアプローチする方法です。紹介を通じた接点は信頼性が高く、アポイント獲得や商談への進展が比較的スムーズに進む傾向があります。
ただし、効果的なリファラル営業を行うためには、既存顧客との関係構築に十分な時間と努力をかける必要があります。
関連記事:リファラル営業のメリット・デメリットは?成功のポイントや活用ツールも紹介
SNS
SNS営業は、企業の公式SNSアカウントを活用して自社の商材やサービスを紹介し、認知度を高める手法です。この方法は、無料で広範囲の見込み顧客にリーチできる点が大きな魅力です。
また、継続的な情報発信を通じて、見込み顧客との接点を増やす効果も期待できます。一方で、SNS上でのフォロワー獲得には時間がかかるため、即効性に欠ける点には注意が必要です。
アプローチ手法の種類【既存顧客向け】
既存顧客へのアプローチは、契約後のアフターフォローやオプション機能の紹介が成功の鍵となります。ここでは、効果的なアプローチ方法を3つご紹介します。
オンラインを含む定期訪問
契約後、1か月、3か月、6か月といった一定の期間ごとに定期訪問を実施し、使用感や困りごと、要望などを丁寧にヒアリングします。
この際、訪問のスケジュールを契約時にあらかじめ伝えておくことが重要です。
定期的に顔を合わせ、対話を重ねることで、アップセルや契約継続の促進につながるため、訪問の間隔をしっかりと設定し、CRMやカレンダーで管理することが求められます。
なお、実際の訪問が難しい場合は、テレビ電話などのオンライン手段を活用して、定期的にコミュニケーションを図るようにしましょう。
メールでの定期連絡
既存顧客には、メルマガやステップメールを通じて定期的に情報を提供する方法も有効です。
契約した商品やサービスの使い方、トラブル解決法、導入事例、新機能の紹介など、役立つ情報をこまめに発信することで、顧客の関心を維持します。
メールは1回につき1つの情報に絞り、タイトルに魅力を持たせることで開封率を高め、内容をしっかりと読んでもらえるよう工夫することが大切です。
提供製品の定期点検
特にメンテナンスが必要な製品を提供している場合は、営業担当者がフィールドサービスと同行して定期点検を実施することが効果的です。
たとえトラブルが発生していなくても、実際に使用感を確認し、顧客の声を直接聞く機会を設けることで、丁寧なフォローが伝わり、信頼感が高まります。
こうした細やかな気配りが、契約の継続やアップセルへとつながる大きな要因となります。
関連記事:CRMとは?導入メリット・機能や選び方とツールも紹介
営業アプローチを成功させるためのポイント
次に、営業アプローチを成功させるためのポイントについて解説します。
やみくもに営業アプローチをしても成果は上がりません。効率的なアプローチを行うには、しっかりとした事前準備が不可欠です。
顧客分析の実施
まずは、顧客分析をしっかりと行うことが基本です。代表的な3C分析(顧客・市場、競合、自社)を活用することで、自社の商材に最適な市場や顧客の特性が明確になります。
また、自社の強みや競合との差別化ポイントも浮き彫りになり、顧客のニーズや抱える課題を正確に把握することが可能です。こうした分析結果をもとに、迅速かつ
効果的に顧客からの質問や要望に対応すれば、信頼性と安心感を提供でき、提案の説得力が向上します。
関連記事:顧客分析とは?5つのフレームワークや分析に有用なツールを解説
ターゲットの明確化
営業アプローチの成否は、ターゲットの選定に大きく依存します。業種、エリア、企業規模などの視点からターゲットを具体的に絞り込み、3C分析の結果を活かして典型的な顧客像(ペルソナ)を設定します。
ペルソナ設定では、対象企業が抱える課題やニーズ、さらには決裁権を持つ担当者の特徴を詳細にイメージすることが大切です。
このように明確なターゲットを設定することで、ターゲットに合わせた最適なアプローチ手法の選定が可能となり、効率的な営業活動へとつながります。
CRMを活用する
さらに、CRM(顧客関係管理システム)の活用も、営業アプローチを成功させる上で重要です。
CRMは、購買データ、購入傾向、イベント参加履歴、アンケート結果、顧客の好みなど、あらゆる顧客情報を一元管理し、共有できるツールです。
これにより、顧客との関係を深めるだけでなく、アンケート機能やメール送信機能などを駆使して、営業活動全体を包括的にサポートすることが可能になります。
結果として、顧客満足度の向上と、継続的な取引の促進につながります。なお、次章では具体的なCRMの活用方法について、さらに詳しく解説します。
CRMを用いた効率的な営業アプローチの促進
多くの営業担当者は、マーケティング部門から引き継いだ新規顧客リストや、インサイドセールス部門が獲得したアポイント情報をもとに営業活動を行っています。
しかし、顧客情報の引き継ぎやフォローが十分にできていない場合、見逃してしまう案件が後々の機会損失につながる恐れがあります。
こうした問題に対処するため、情報共有やファクトファインディングを促進するCRMといったデジタルツールの活用が求められます。
ここでは、Mazrica Salesを例に、CRMを活用した営業アプローチの仕組み化について解説します。
効果的な営業アプローチ手法を見つめる
「ファネル分析レポート」では、アプローチ手法のチャネルごとのフェーズ推移を確認することができます。
受注までの案件維持率、受注までの達成率などを各フェーズ・各チャネルで把握することで、効果が出ている営業アプローチ手法を見つけることが可能になります。
更に、担当者や商材ごとに分析することにより、自社の営業の強みや弱みまで把握することができ、施策を検討するのにも役立ちます。
参考:ファネル分析レポートとは
アプローチ漏れを無くす
案件ボードに案件カードを登録することで、過去のアクション履歴を蓄積していくことができます。
直近のアクション完了日に応じて色分けで表示されたり(一週間以内なら青、一ヶ月以内なら黄色、それ以上なら赤など)、アラートが表示されたりすることで、滞っている案件が一目瞭然となりアプローチ漏れ防止に繋がります。
参考:案件ボードの使い方
蓄積された営業ノウハウを活かす
「おすすめアクション」の機能では、蓄積されている営業アクションの中から、過去に効果があった類似案件のアクションを提案してくれます。
取引先の業種、フェーズ、チャネル、商材などから似ている案件を抽出して、おすすめアクションとしてレコメンドしてくれることで、勝ちパターンを参考にして先手を打って営業を仕掛けていくことができるのです。
過去の案件の中から、自分がターゲットにしている企業と同じような業種・業界の企業を探し出せば、過去案件のヒアリング内容などを参考にファクトファインディングのヒントも得ることができるでしょう。
参考:おすすめアクションとは
終わりに
相手との接点をもつために大事な営業アプローチは、ちょっとした工夫やコツで相手の興味関心を引きだすことができます。
まずは自社のフローを見直してみませんか?まだできていない部分が、きっとあるはずです。
また、営業アプローチが継続して検証していくことも大事です。
どんな手法、どんなフロー、どんなトークが適しているのかを検証して実行していくためにも、ツールを導入して効率的に進めてみてくださいね。
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