法人営業とは、法人を対象にした営業です。
法人営業では、取引先の事業内容や決裁プロセスを理解したうえで営業活動を進めなければいけません。そのため一般消費者を対象とした個人営業とは、仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。
そこで本記事では、法人営業の仕事内容や必要なスキル・適性、さらに個人営業との違いを解説します。
また法人営業を効率化させるためのフレームワークやツールも紹介するので、法人営業で成果を出したい人はぜひ参考にしてください。
▶︎▶︎【無料DL】法人営業で成果を上げるにはSFAの導入を!SFAのイロハを全て教えます!
この記事の内容
法人営業とは?
法人営業とは、株式会社や合同会社などの法人を対象にして営業活動を行う職種です。「Business to Business」を意味するBtoB営業とも言われます。
法人を対象としているため、取引先企業の企業規模や決裁者、予算や決算月などさまざまな情報を把握していなければいけません。これらの情報が不足していると、提案のタイミングを逃したり決裁者にアプローチできなかったりするため、失注のリスクがあります。
そのため一般消費者を対象とする個人営業とは、営業プロセスや求められるスキルが大きく異なります。
※「営業」についての定義やプロセスなどをまとめた記事はこちら
関連記事:営業とは?定義やプロセス、便利ツールをご紹介!
法人営業と個人営業の違い
法人を対象とする法人営業に対し、一般消費者を対象とするのが「個人営業」です。「Business to Consumer」を意味するBtoC営業とも言われます。
法人営業と個人営業は対象としているターゲット(顧客)が異なるため、以下のように大きな違いがあります。
関連記事:BtoB営業とは?営業手法や課題・成功のポイントを解説
購買プロセスの違い
BtoCビジネスの場合、購買の意思決定を行うのは顧客本人です。住宅や車などの高額商材であれば、顧客の家族なども意思決定に加わる場合もあります。
意思決定に関わるのが本人もしくは家族などの限られた人物のため、予算や好みに合えばスムーズに受注まで進むので、個人営業の場合は購買プロセスがシンプルなのが特徴です。そのためリードタイム(初回アプローチから受注までの期間)も短めの傾向にあります。
一方の法人営業では、取引先(顧客)は法人で、商談相手は法人の購買担当者となります。購買担当者が意思決定の決裁権を持っていることはほとんどなく、管理者や経営層などの上長が購買の決裁をすることが一般的です。
したがって、取引先の稟議を通したり決裁者へプレゼンをしたりする工程が加わります。企業によっては決裁者が複数いて、購買プロセスが複雑化しているケースもあります。
このように、法人営業と個人営業は購買プロセスに大きな違いがあります。
関連記事:営業のリードタイムを短縮する方法とは?リードタイム管理の重要性と短縮のメリット
報酬の違い
法人営業と個人営業は、報酬面でも違いが現れる場合があります。
個人営業は、高額商材を除いて顧客一人当たりの受注金額が比較的低めの傾向です。一方の法人営業では受注金額が高めの傾向であり、取引先の企業規模が大きくなるほど大型案件となり受注金額も高くなります。
また法人営業の場合は、取引先企業の購買担当者との綿密なコミュニケーションや、決裁者への的確なプレゼンなど、高度なスキルが求められることも少なくありません。
このような背景から法人営業のほうが難易度が高いと言われており、年収にもそのぶんが反映されていると見受けられます。
また大型案件を獲得したり、受注件数が多かったりすると、インセンティブも得られることがあります。
そのため一般的に、法人営業は個人営業よりも年収が数十万円高いと言われています。
マーケティングでのBtoBとBtoCの違いについて知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
関連記事:BtoBマーケティングとは?BtoCとの違いや基本的な手法を紹介
法人営業の種類
法人営業は業務内容の特性から「新規開拓営業」と「ルート営業」に大きく分けられます。それぞれの仕事の内容や特徴などを解説します。
新規開拓営業
新規開拓営業は、これまで取引のない顧客を対象にした営業です。飛び込み営業やテレアポなどで接点を持ち、初回訪問につなげます。そして商談を行って受注を獲得し、新しく取引を始めることが仕事です。
法人営業の新規開拓の場合、初回アプローチに展示会やセミナーなども活用されます。またメールやWEBサイトの問い合わせフォームなどオンラインからアプローチしたり、既存取引先の他部署を紹介してもらったりする方法もあります。
新規開拓営業はさまざまな方法で新たな顧客を獲得して売上を生み出すことがミッションなので、行動力やフットワークも求められます。
関連記事:法人新規開拓営業のコツとは?集客と提案における手法とポイント紹介
ルート営業
ルート営業は、既存顧客を巡回するフォローアップ営業です。巡回する順番を決めてルート順に訪問するため、ルート営業と言われます。
既存顧客に訪問した際、現在導入している商品・サービスの使い心地などをヒアリングしたり、追加で購入したい商品がないか確認したりします。また新商品紹介や、導入サービスの継続案内など、アップセル・クロスセルの提案も行います。
関連記事:アップセルとは?クロスセルとの違い・具体事例を解説
ルート営業は既存顧客を対象としており、基本的には飛び込み営業やテレアポなどの新規開拓は行いません。
その代わりルート営業のミッションは安定した売上を生み出すことのため、解約や取引停止などが起きないよう既存顧客と深い関係性を構築するスキルが必要です。
関連記事:ルート営業とは?新規営業との違いや求められる営業スキルとKPIを解説
法人営業の仕事内容と求められるスキル・やりがい
法人内容は個人営業と仕事内容が異なるため、求められるスキルも異なります。それでは、どのような仕事を行い、どのようなスキルが必要なのか?そして、どんなやりがいがあるのか紹介していきましょう。
関連記事:営業に必要な8つのスキルとスキルアップの方法とは?
法人営業の仕事内容を簡潔に表すと「法人に対して自社商材を販売すること」と言えます。
ただし相手が企業のため、先述のように購買プロセスが複雑なので、商材を提案してすぐに販売に結び付くことはほとんどありません。
そこで適切な提案をするために、まずはその企業の課題やニーズ、予算や導入予定時期などのヒアリングが必要です。
したがって営業担当者には、高いヒアリング力や、相手と関係を構築するためのコミュニケーション能力が求められます。
また企業は赤字になってはいけないので、導入した場合の費用対効果やメリットなどのポイントを重視して、シビアな視点で購買を判断します。
営業担当者は商談において自社商材の魅力だけでなく、取引先企業にとっての導入メリットまで伝えなければいけません。
そのためプレゼンスキルや論理的な説得力も必要となります。また提案力のある資料作成のスキルも求められるでしょう。
さらに法人営業の場合、取引先企業の購買プロセスに合わせて適切なフォローを行う場合もあります。
たとえば取引先企業が「社内稟議がなかなか通らない」という場合には、決裁者に直接プレゼンしたり、社内稟議が通るよう資料を提供したりします。
このように法人営業には、その時々に合わせた柔軟な対応力も必要です。
単に「良い商品を売る」だけでなく、高い営業スキルを身につけながら、社内外の人を巻き込む。
その結果、大きなお金を動かすことがやりがいとなるでしょう。
※営業支援ツールMazrica Salesの案件ボード
営業支援ツールMazrica Salesを活用すれば、成約までのプロセスを直感的に把握することができます。
各案件が今どのフェーズにあるのか一目で分かり、各案件の進捗状況がカラーラベルで把握できます。
※例えば1週間以内にアクション(営業活動)が行われていれば、案件は「青色」で表示され、アクションがなければ、時間経過とともに「黄色」→「赤色」と変化します。
案件ボードを活用することで、営業パーソンは購買プロセスに合わせたフォローを行うことができるため、法人営業にオススメです。
▶︎▶︎案件の進捗状況をリアルタイムで把握し、刺さる提案ができる「Mazrica Sales」の詳細はこちら
法人営業に向いている人とは?
法人営業は営業職全般に求められるスキル以外にも、特に必要となる適性があります。以下のような適性を持つ人は、法人営業に向いていると言えるでしょう。
1.経営や事業に関する興味関心が高い人
法人営業では、取引先企業の経営戦略や事業内容を理解していなければ取引先企業のニーズを把握できず、最適な提案ができません。
そのため経営や事業に関して高い興味を持っている人ほど、法人営業に向いていると言えます。
また「この経営戦略なら、こんな商材が必要だろう」「このような事業内容なら、こんな課題があるだろう」などと紐づけて考えられる思考力も必要となります。このような思考は、経営や事業についての知見があってこそのものです。
このように、経営や事業に関心がある人、企業のニーズを読み解ける人が、法人営業の適性があります。
2.社内調整ができる人
法人営業は社内調整が必要な場面が多々あります。
たとえば上司や経理への見積もり料金の許可、製造部門との納品スケジュールの調整、カスタマーサクセスとのアフターフォロー方法のすり合わせなどです。
また商談日を会議日と重ならないようにするなどの日程調整もあります。このように法人営業は、チームメンバーや他部署などとの社内調整が少なくありません。
それゆえ、社内と円滑に連携を取れる人は法人営業に向いていると言えます。
営業支援ツールMazrica Sales を活用すれば、案件毎に営業活動の詳細を残すことができるだけでなく、各案件に関する社内ミーティングについても管理することができます。
社内連携を円滑に進めていく上で、重要な機能と言えるでしょう。
3.提案・プレゼンテーション能力が高い人
提案能力やプレゼンテーション能力は営業職全般で必要となりますが、法人営業では特に高いレベルが求められます。
なぜなら法人営業の場合、取引先企業はシビアな視点で購買を決定するからです。
個人営業の場合は顧客の好みや勢いで購買が決定することも少なくありませんが、法人営業の場合は顧客が論理的に購買プロセスを進めるため、相手に購買するメリットを納得させるスキルが必要になります。
商材の魅力だけでなく、導入した際のメリットを論理的にプレゼンできる人は、法人営業に向いているでしょう。
法人営業で売上向上するためのフレームワーク
効果的な法人営業を行うためには、フレームワークを活用するのも一つの手です。
フレームワークにはさまざまな種類がありますが、法人営業で活用できる主なフレームワークを紹介します。
こちらの記事内では、営業戦略や戦術を考える際のフレームワークを紹介しています。
関連記事:営業戦略・戦術フレームワークおすすめ14選と活用のポイントとは
BANT
ヒアリングで活用できるフレームワークがBANTです。BANTとは、それぞれ以下の意味です。
- Budget:予算
- Authority:決済権
- Needs:ニーズ
- Time frame:導入時期
BANT情報をヒアリングすることで取引先企業の現状を理解できるため、必ず聞くべき情報として広く知られています。
関連記事:BANT条件とは?法人営業が知っておきたいヒアリング手法
MEDDIC
BANT情報よりも詳しく取引先企業について理解できるフレームワークがMEDDICです。具体的には、以下の項目をヒアリングします。
- Metrics:測定指標
- Economic Buyer:決裁者
- Decision Criteria:意思決定基準
- Decision Process:意思決定プロセス
- Identify Pain:課題
- Champion:擁護者
決裁者だけでなく擁護者や意思決定プロセスなども把握することで、最適なタイミングで最適な人物にアプローチできます。
FABE分析
商談での話の展開を組み立てるときは、FABE分析を活用しましょう。
- Feature(特徴):今回の提案の特徴
- Advantage(優位性):他社製品と比較した際の優位性
- Benefit(便益):お客さまが得られるメリット
- Evidence(証拠):提案を裏付けるデータ、実績
商談前に上記項目を洗い出しておくと、スムーズな商談を展開できます。
DMUマップ
法人営業では取引先企業の意思決定プロセスが複雑です。企業規模が拡大するほど関与する人物も増える傾向にあるため、関係者を洗い出すためのDMU(Decision Making Unit)マップが有効です。
DMUマップとは、取引先企業の意思決定に関わる人物の相関図です。マップ形式で可視化することで、どのようなフローで営業を進めていくべきか把握できます。
法人営業の効率化ツール Mazrica Sales
法人営業は担当する取引先企業や案件について詳しく把握していなければ、営業の機会損失を招くリスクがあります。
それゆえ管理すべき項目が多く、Excelでの営業管理には限界があります。
そこでおすすめするのが、SFA/CRM(営業支援システム)の活用です。
当社が開発・提供しているMazrica Salesは、法人営業を効率化するための機能が詰め込まれたSFA/CRMです。
サービス名:Mazrica Sales
プロダクトURL:https://product-senses.mazrica.com
▶︎▶︎【法人営業の効率化】Mazrica Sales の概要資料はこちらから無料ダウンロードできます
取引先企業に関連する情報を一元管理
取引先企業の住所や電話番号、企業規模などのデータを蓄積できるため、わざわざインターネットで情報を調べなくてもすぐに知りたい情報にアクセスできます。
企業名を入力するだけで企業概要やプレスリリース、IR情報などのさまざまなデータを自動取得するため、入力の不可も軽減されます。
また担当者情報も紐づけられるので、必要な情報を一元管理でき便利です。
関連記事:BtoB向けSFA(営業支援)ツールおすすめ10選!企業タイプ別の活用事例
カード形式で案件情報を管理
案件管理では「案件ボード」を使います。一つひとつの案件カードをボードに貼り付け、フェーズごとに進捗を管理するため、どの案件がどこまで進んでいるのか一目で把握できます。
案件カードは最終対応日からの経過日数に応じて色分けされてアラートされ、対応の漏れや遅れを防ぐ効果もあります。
外部サービスとの連携
Mazrica Salesは複数の外部サービスとの連携も可能です。
たとえばGmailと連携するとメールの内容が自動で同期され、やり取りの履歴をMazrica Sales内に蓄積できます。ほかにも名刺管理システムやスケジュール管理ツール、MAや電話応対システムなど、連携できる外部サービスは多数。
ツール連携によりリアルタイムでの情報同期が可能なので、二重入力の手間が削減されます。
関連記事:Mazrica Saleと連携できる外部サービス11選
AIによる自動予測(AIフォーキャスト)
Mazrica SalesはAIを搭載している点も特徴です。AIが過去の類似案件から受注確度を予測し、その案件の受注確度や想定されるリスクを提示します。
受注確度の高い案件を優先したり、リスクに備えて先回りして対策したりすることで、法人営業で効率的に受注を獲得できるでしょう。
また、弊社が提供するMazrica AIでは、Mazrica Salesだけでなく、Mazrica Marketing(MA)に蓄積したデータから、セールス・マーケティング領域の生産性向上が狙えます。
マーケティングから営業支援・組織強化までを実現可能にするMazricaプラットフォームから得られたデータをAI機能を使い分析することで、ビジネスにおける「成果創出の示唆出し」「業務効率化」をサポートします。
▶︎▶︎AIで受注確度を予測し、法人営業を効率化できる「Mazrica AI」はこちらから
終わりに|法人営業を効率的に進めよう
法人営業は単に商材の魅力を伝えるだけでなく、課題を理解したうえでの論理的なプレゼンスキル、経営や事業などビジネスに関する知識なども必要になる職種です。
また法人という組織を対象としているという特性上、意思決定に関わる人物との関係構築や意思決定プロセスの理解も必要でしょう。
効率的に受注を獲得するためには、フレームワークやITツールを活用するのも一案です。
特にSFAは営業活動に特化した支援システムなので、より成果につながる法人営業を実現するでしょう。
ぜひ今回紹介した内容を参考に、法人営業を効率的に進めてください。
トップセールス〜4つの法則〜
営業の永遠の課題、それは”人”です。企業活動の中で、営業ほど”人”が成果に影響するものはないと言っても過言ではないでしょう。では優秀な営業パーソンはどのように行動して成果を上げているのでしょうか? 本資料では様々な営業組織を見てきた弊社が見つけだした、トップ営業パーソンが必ず実践している4つの法則を紹介します。
資料をダウンロードする