2022年に公開され、現在ではユーザー数が1億人を超えているChatGPT。業務効率化のために取り入れようと検討している営業組織も多いのではないでしょうか。
ChatGPTを営業に活用することで、文章生成や事務作業などの自動化・効率化が期待できます。
本記事ではChatGPTをBtoB営業に活用するメリットや使い方、そしてさらに成果を高めるためのポイントを解説します。
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この記事の内容
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、OpenAI社が開発した生成AI型のチャットボットサービスです。
[サイトリンク:ChatGPT – OpenAI]
生成AIとは、ユーザーが指定した条件に応じて、AIが学習した内容をもとにさまざまなコンテンツを生成できるAIを指します。
生成AIは画像や動画、音声や音楽などを作ることができますが、ChatGPTはテキストの生成を得意としています。また、ユーザーの質問や指示に対し、自然なかたちの対話形式で答えてくれる点も特徴です。
関連記事:AIの営業活動への活用例|よくある営業課題への解決方法
ChatGPTの仕組み
ChatGPTの仕組みを簡単に紹介します。
ChatGPTは、インターネット上の膨大なデータを学習し、情報やデータだけではなく言語・文章の「主語・述語」「言葉の順序」「句読点「文脈」などのルールを学習しています。
そのうえで、ユーザーからの質問や指示に対して適切な答えを導き出し、学習した内容をベースにして自然な文章で返答できるのです。
学習内容をもとにすることで、ユーザーが入力した文章の校正や要約なども可能です。
ChatGPTの使い方
ChatGPTは2023年7月現在、ブラウザ版とスマホアプリ版が提供されているため、スマホで利用したい場合はまずアプリをインストールしてください。
その後、新規アカウントを開設します。メールアドレスのほか、GoogleアカウントやMicrosoftアカウント、Apple IDでもアカウントを作成できるようになっています。
画面の指示に従って登録を進めることで、利用を開始できます。
なお、ChatGPTは無料で利用できますが、有料プラン「ChatGPT Plus」も提供されています。
関連記事:ChatGPTのマーケティング活用方法とは?6つの事例やメリット・注意点を解説
ChatGPTを営業活動に活用する3つのメリット
ChatGPTは多用途に活用できるため、業務に取り入れる企業も増加傾向にあります。他部門で活用できるChatGPTなので、営業部門でももちろん活用可能です。
ここからは、ChatGPTを営業活動に取り入れる際のメリット・見込まれる効果について、3点にまとめて紹介します。
営業の事務作業を自動化できる
営業職は、商談や電話などの顧客対応だけでなく、実は事務作業も少なくありません。
たとえば、競合調査や見積書作成、提案資料作成、社内での報告・連絡など、さまざまな事務作業が発生します。
こうした作業にChatGPTを活用することで、営業活動が効率化します。
【ChatGPTで営業の事務作業を効率化する方法】
- 競合企業の新製品についての情報や口コミを収集する
- 営業資料に必要なデータを集める
- プレゼン資料に盛り込む情報の案を出してもらう
- 顧客へのメールの文面を考えてもらう
上記のようにChatGPTを活用することで事務作業の時間が削減され、より多くの顧客に対応したり、提案内容をブラッシュアップしたりする時間を作ることができます。
24時間即対応の顧客対応ができる
ChatGPTはAPI連携ができるため、自社システムなどに組み込めます。
たとえば、自社開発のチャットボットにChatGPTを組み込み、自社情報やFAQなどのデータを学習させることで、顧客からの問い合わせに自動で対応できるようになるのです。
深夜・早朝や土日祝日など、顧客対応のオペレーターを確保することが難しい時間帯でも、ChatGPTを組み込んだチャットボットが24時間365日対応してくれるため、人件費の削減が見込めます。
また「よくある質問」に対しては自動対応を行い、オペレーターは緊急性の高い問い合わせや優先度の高い顧客の対応ができるため、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
新人育成や営業スキルアップにつながる
新人のうちはどのように営業をするべきなのかわからなかったり、ある程度経験を積んでもなかなか成果が出ずに伸び悩んだりする時期もあるでしょう。そうしたときにもChatGPTを活用することが可能です。
商談用の資料や、電話営業で利用するトークスクリプト、顧客へのメールの文面などをChatGPTに添削・校正してもらえば、より効果の高い営業活動ができるでしょう。
関連記事:営業に必要な8つのスキルとスキルアップの方法とは?
BtoB営業におけるChatGPTの活用事例6選
BtoB営業ではどのような場面でChatGPTを活用できるのでしょうか。具体的な事例として、6つのシーンを紹介します。
関連記事:BtoB営業とは?営業手法や課題・成功のポイントを解説
ChatGPTを使って営業資料を作成する
提案資料やプレゼンテーション、ホワイトペーパーなどの営業資料を作成する際、ChatGPTを活用できます。
たとえば、営業活動のターゲット像を設定し、そのターゲットに対して効果の高い提案資料にするためのポイントや、盛り込むべき情報などをChatGPTに教えてもらうことが可能です。
またChatGPTは文章を生成できるため、情報をうまく文章にまとめられないときにも活用できるでしょう。
関連記事:ホワイトペーパーの作り方とは?作成のコツとマーケティングの活用事例も解説
ChatGPTを使ってトークスクリプトを作成する
特にインサイドセールスの営業活動では、電話を使用する機会が少なくありません。そのため電話の際の台本となるトークスクリプトは不可欠です。
ChatGPTに、電話営業のコツや、話を展開するポイントなどを聞くことで、成果につながるトークスクリプトを作成できます。また、ターゲットとなる企業の業界や、顧客像などを設定すると、どのような営業トークだと効果が高いか教えてくれるでしょう。
関連記事:トークスクリプトとは?意味や作り方・営業で使える有能ツールも紹介
ChatGPTを使って商談議事録を要約する
商談終了後、顧客にお礼のメールを送る際、商談の内容を要約して送っている人も少なくありません。また、上司に報告する際に、その日の商談の要約を提出している人もいるでしょう。
商談の議事録を記録していれば、ChatGPTに読み込ませるだけで要約した内容を提示してくれます。
要点をまとめるのが苦手な人や、限られた文字数で簡潔にまとめたい人にとっては、非常に便利です。
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ChatGPTを顧客とのコミュニケーションに活用する
多くの顧客を抱えていると、一人ひとりとのコミュニケーションが手薄になってしまい、なかなか見込み度が上がらないという場合があります。
そうしたときChatGPTを活用することで、限られたリソースでも顧客が満足するコミュニケーションを提供できます。
たとえばメールの文面を作成する際に「顧客へ感謝や誠実さを伝える文章を作りたい」といった指示を出すことで、ChatGPTが自動で文章を生成してくれます。
また、前章で紹介したAPI連携機能を使うと、チャットボットやFAQなどにChatGPTを組み込むことができ、より密度の高い顧客とのコミュニケーションが実現できます。
ChatGPTを使って営業日報を作成する
日々の仕事の最後に営業日報を提出している組織は多いでしょう。ですが、実際には営業担当者は一日中仕事に追われているため、営業日報を作成するための余力が残っていないということも珍しくありません。
そのようなときにも、ChatGPTがサポートしてくれます。その日に行った営業アクションや商談内容などの情報を提供することで、うまく文章にまとめてくれるのです。
一日の仕事で疲れていてもChatGPTが営業日報の作成をサポートしてくれるため、日報作成の負担を軽減できるでしょう。
関連記事:営業日報は意味がない?業務報告の必要性と活用に必要なツールを紹介
ChatGPTを営業トレーニングに活用する
ChatGPTを活用し、営業トレーニングを行うことも可能です。
たとえば、新人営業が初めての商談に行く際、商談での営業トークやプレゼンなどの内容をテキストにしてChatGPTに読み込ませると、改善点を指摘してくれます。
また、メール文面や営業資料なども客観的に添削してくれるため、より効果の高い方法を学べます。
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BtoB営業で使えるChatGPTのプロンプト例
ChatGPTに指示を出す文章のことを「プロンプト」と言います。プロンプトで詳細な条件や設定を指示することで、返答の精度が高くなります。
BtoB営業でChatGPTを活用する際に使えるプロンプトの例文を紹介します。
プロンプト作成のコツ
まずは、基礎となるプロンプト作成のコツから紹介します。
具体的で明確な質問文にする
ChatGPTは高性能なAIではありますが、人間のように曖昧な表現や遠回しな言い方で相手の意図を予測することはできません。質問や指示の内容によっては、的外れな回答が返ってきます。
そのため、具体的かつ明確な質問文にすることを意識しましょう。
背景や文脈を説明する
ChatGPTから得る回答の精度を高めたいときは、質問内容の背景や文脈も説明すると良いでしょう。
たとえば、「SNSでバズりたい」という文よりも「私はSNSマーケティングをしています。Twitterで拡散されるコツを教えてください」という質問文の方が適しています。ChatGPTに質問するに至った背景まで説明することで、ChatGPTは質問内容の意図を把握して最適な回答をしやすくなるのです。
また「お礼のメールを送りたい」というだけの指示よりも、「『お越しいただきありがとうございます』を使う」などと文脈を説明してあげると、より希望通りの回答が得られます。
必要な条件を設定する
回答精度を高めるポイントとして、詳細に条件を設定することも挙げられます。
ChatGPTのプロンプトは「#」や「”」などの記号を使って、指示内容と条件を区切ることができます。そのため「#条件」などとした後に必要条件を設定することで、求めている情報を得ることができるのです。
営業資料作成のプロンプト例
まずは、営業資料を作成する際に使えるプロンプトの例文を紹介します。
私は「○○(製品名)」を販売している営業担当者です。新規開拓のための営業資料を作成する際、どのような骨子で作成したら良いか、説明文をまじえて教えてください。条件は以下の通りです。
#条件
・全10ページ
・製品の導入事例と料金表のページを必ず作る
商談議事録を要約するプロンプト例
次は、商談議事録を要約する際に使えるプロンプトの例文を紹介します。
入力した文章を指定された文字数の範囲内に要約してください。
要約された文章の文字数が範囲内に収まっていない場合には、文字を追加または削除する処理を繰り返してください。
・ 文章:(要約したい文章を入れる)
・ 文字数の下限:(文字数の下限入力)
・ 文字数の上限:(文字数の下限入力)
営業日報を作成するプロンプト例
営業日報を作成する際には、以下のように情報を分けて入力することでChatGPTに正確な情報を学ばせることができ、さらに出力方法を指示することで指定通りの回答内容で返答されます。
#活動内容
1:10時に○○社との商談
2:13時に△△社との商談
3:15時に営業会議
#結果
1:競合のA社と迷っているらしい。次回アポイントの○月○日には営業部長が同行予定
2:アフターサポートの手厚さが決め手となり受注獲得
3:会議資料の作成が間に合わなかった。アイデアがあったが発言できなかった
#条件
・各項目について、気づきや学び、反省点を入れて所感を作成する
・それぞれの所感は100文字前後
・所感を踏まえて、明日の目標を生成する
#出力形式
所感1:
所感2:
所感3:
明日の目標:
関連記事:エクセルテンプレートでの日報管理がうまくいかない理由と解決策
営業トレーニングの為のプロンプト例
次は、営業トレーニングでChatGPTを活用する際のプロンプト例を紹介します。
メール作成/質問対応のプロンプト例
メール作成や質問対応の際には、以下のようなプロンプトをイメージしましょう。
#概要
・セミナーは○月○日に○時から○○にて開催する
・テーマは「~~~」について
・事前申し込みが必要
・参加料無料
・○○社の代表取締役○○氏が登壇する
・セミナーに参加すると△△について深く学べる
#条件
・敬語を使う
・セミナーに参加したくなるような文面にする
・日時、場所、参加料は箇条書きにする
#条件
・敬語で丁寧な表現
・店舗で返品対応できることを伝える
・「申し訳ございません」などの謝罪の言葉を入れる
・最後に、今後の改善につなげる文章を入れる
#問い合わせ内容
~~~(文章)
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ChatGPTをBtoB営業で活用するときの注意点
ChatGPTはBtoB営業で活用できますが、注意すべきポイントもあります。以下の点を意識しながらChatGPTを使いましょう。
顧客の不満や要望までは把握しきれない
ChatGPTはあくまでもロボットのため、文章を深読みすることはできません。
たとえばクレームや要望などのメールが届いてChatGPTにメールの文面を読み込ませても、ChatGPTはその文面から顧客の本音を読み解くことは難しいでしょう。
ChatGPTにすべて任せるのではなく、人間によるチェックも欠かさないよう気をつけましょう。
情報漏洩のリスクがある
ChatGPTは、回答精度の向上のため、ユーザーが入力した情報を再学習する可能性があるとされています。
そのため、企業の機密情報を入力すると、その内容が学習されて第三者への回答として利用されるリスクがあります。
再学習をしないように設定することも可能ですが、万が一のことも考慮して機密情報は入力しないほうが無難です。
関連記事:デジタルリテラシーとは?意味やリテラシーを高める3つの方法を解説
情報の鮮度や正確性を判断する必要がある
ChatGPTの回答は、すべてが正しいとは言えません。古い情報を引用したり、そもそも間違った情報を学習してしまったりしている場合もあるのです。
ChatGPTを顧客対応や営業活動で活用する際には、回答をそのまま活用するのではなく、鮮度や正確性を見極める必要があるでしょう。
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ChatGPTと営業支援ツール(SFA)を併用する
ChatGPTを営業活動に活用することで、営業の生産性を向上できる可能性があります。しかし、当然ながら、ChatGPTだけでは営業活動が改善されるわけではありません。データから顧客のニーズを読み取ったり、自社の顧客に対して最適な営業アクションを導き出したりすることはできないのです。
そこで、営業に関するデータを一元的に蓄積・分析できる営業支援システム「SFA」の導入をおすすめします。ChatGPTを併用することで、ChatGPTのデメリットや注意点を補うことができます。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方から成功事例まで解説
当社のSFA/CRM「Mazrica Sales」は、顧客や取引先に紐づけて営業アクションや商談履歴、契約履歴や購買履歴などを蓄積できます。
蓄積されたデータを分析できるだけでなく、搭載されているAIがネクストアクションや受注確度などを示唆してくれるため(AIフォーキャスト)、営業の成果のさらなる向上が期待できます。
また、通信や機密情報は暗号化できるため、セキュリティ面も安全です。情報セキュリティマネジメントについての国際標準規格「ISO 27001(ISMS)」の認証を取得しており、お客様の大事なデータを守ります。
Mazrica Salesに蓄積された営業情報や顧客情報を基にして、メールの文面やトークスクリプトなどを作成するシーンでChatGPTを活用できるでしょう。
▶▶【SFA×ChatGPT併用がおすすめ】データに基づく高精度の予測・提案ができるSFAを導入してデータドリブンな営業を実現!
まとめ|ChatGPTやSFAをBtoB営業で有効活用して営業組織を強化しよう
ChatGPTは特に文章作成に強みのあるAIのため、顧客へのメールやトークスクリプト、営業資料などの作成の場面で力を発揮します。ただし、回答精度を高めるためには指示文や質問文を工夫する必要があるため、本記事で紹介したポイントを意識してプロンプトを作成しましょう。
また、ChatGPT単体では営業の成果につながりにくいので、SFAとの併用がおすすめです。AI搭載のMazrica Salesは、営業に関するあらゆるデータの可視化・一元化を実現するだけでなく、AIが提示する示唆によって営業効率を高められます。
Mazrica Salesの詳しい機能については以下の資料で紹介しています。気になる方はぜひダウンロードしてみてください。
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