SFA(営業支援ツール)運用は、導入しただけでは十分ではありません。
SFAを「使いこなせていない」「現場に定着しない」といった課題に直面し、期待していた成果を上げられないケースが後を絶たないのが現状です。

実際、SFA運用がうまくいかない理由として、現場の理解不足やツールの選定ミス、効果的な使い方が共有されていないことなどが挙げられます。
一方で、適切に運用することで、営業効率の向上や成約率の改善といった大きな成果を得ている企業も多く存在します。

本記事では、SFA運用におけるよくある失敗例を取り上げ、それを回避するためのポイントや、成功につなげる具体的な方法について解説します。
「SFAを導入したが期待通りに運用できていない」と悩む方や、「これからSFAを導入しよう」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

SFAとは?

SFAとは、「Sales Force Automation」の略であり、日本語では「営業支援ツール」や「営業支援システム」と訳されます。
SFAは、営業プロセスを効率化し、営業活動を自動化するために使われます。

SFAの基本機能としては、主に以下の7つが挙げられます。

  • 顧客管理機能
  • 案件管理機能
  • 商談管理機能
  • 営業プロセス管理機能
  • 予実管理機能
  • 行動管理機能
  • スケジュール管理機能
  • レポーティング機能

SFAの導入によって、営業チームはデータ入力や重複作業の時間を削減し、より受注につながる営業のコア業務に集中できるようになります。

また、誰がどの案件にどれだけ時間をかけて対応しているのかをリアルタイムで確認できるため、営業スキルの蓄積や情報共有の促進に役立ちます。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説

SFA導入が進んでいる理由

SFAの導入が多くの企業で進んでいる背景には、営業活動の効率化や属人化の防止といった具体的な課題があります。
SFAを活用することで、従来の営業プロセスを大幅に改善し、チーム全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

ここでは、SFA導入が進む3つの理由を解説します。

営業活動の効率化

営業現場では、データ入力や顧客情報の管理に多くの時間が費やされていますが、SFAを活用すればこれらの作業を自動化・簡略化できます。
たとえば、訪問記録や商談の進捗状況をSFAに登録しておくことで、営業パーソンが手動でデータを探す手間が省けるのです。

また、リモートワークなどでチームのコミュニケーションが減少しがちな状況でも、SFAを使えば「誰が」「いつ」「どのような活動を行ったか」をリアルタイムで共有できるため、チーム全体の状況を的確に把握できます。

このように、SFAは営業パーソン一人ひとりの業務効率を高めるだけでなく、チーム全体の連携を強化するツールとしても効果を発揮するでしょう。

営業スキルの向上

SFAでは、営業活動に関するデータを自動的に蓄積・分析できるため、成功事例を基にした営業スキルの向上が期待できます。
成績の良い営業パーソンの行動パターンを分析し、効率的なアプローチ方法を全員で共有することで、営業部門全体のレベルを引き上げることが可能です。

さらに、SFAの効率化によって営業パーソンに時間的余裕が生まれる点も見逃せません。データ入力や進捗管理の手間を削減することで、商談準備や自己研鑽に集中できる時間が増えます。

また、クラウド型のSFAを活用すれば、スマートフォンやタブレットを使って移動中や隙間時間に情報を入力・更新することができ、営業活動の柔軟性が向上します。

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属人化の防止

SFAの大きなメリットの一つは、営業活動の属人化を防止できる点です。従来は、営業パーソン個人が抱えるノウハウや商談情報が共有されず、退職や異動によって重要な情報が失われるリスクがありました。

しかし、SFAを導入することで、顧客情報や商談内容を一元管理し、チーム全体で共有することが可能になります。
たとえば、トップセールスの提案内容や商談の進め方をデータとして蓄積すれば、他のメンバーもそれを活用して営業スキルを向上させることができます。

また、営業活動の記録を定期的に振り返ることで、課題の発見やプロセス改善のヒントを得ることも可能です。
SFAによってナレッジが組織全体に広がれば、新人教育の効率化や営業部門全体の成績向上が期待できます。
属人化を防ぐことは、長期的な営業活動の安定化にもつながるのです。

関連記事:営業の属人化はなぜ起こる?4つの原因と7つの解消方法

SFA運用の失敗例と失敗の原因

SFAは導入するだけで成果が出るのではなく、運用を定着させて活用していくことが重要です。しかし、導入後の運用で失敗してしまう営業組織も少なくありません。
それでは、具体的にどのような失敗例があるのか見ていきましょう。

関連記事:SFA導入に失敗する理由は?原因と解決策を解説

設計ができない

SFAを使っていくためには、まずは設計をする必要があります。

「SFAの設計」とは、利用する機能や入力項目などを設定したり、入力時のルールを決めたりすることです。現場はどのようなタイミングで入力するのか、マネージャーはどのようにフィードバックするのか、といった運用時のフローの設計なども含まれます。

こうした設計ができていないと、いざSFAを運用しようと思っても「どの項目に入力するのかわからない」「いつ入力するのか」などと混乱を招きかねません。

しかし、初期設計をするにはまず営業現場の課題やフローを洗い出したうえで、現場担当者の意見を取り入れながら進めていかなければならず、多くの工数がかかる作業です。そもそも「どのように設計したらよいのかわからない」という企業も少なくないため、SFAを導入したのに設計ができずに失敗に終わってしまうのです。

誰も使わない

せっかく運用を開始しても、現場担当者が誰も利用してくれないケースも見受けられます。その原因は多岐にわたるのですが、主に以下のような理由が挙げられます。

  • 入力項目が多すぎて面倒
  • 機能が多すぎて使いこなせない
  • 新たに業務フローを組む必要があるため大変

上記のように営業現場が使いにくさや不満を感じると、次第にSFAへの入力が滞っていき、誰も使わなくなるという結果に陥るのです。

関連記事:営業がSFAに入力しない原因とは?入力率を上げる4つのポイント

成果につながらない

現場がSFAへの入力を努力してくれてデータがある程度溜まっていっても、なかなか売上や利益につながらないというケースもあります。

データが蓄積されたら、そのデータを活用して営業を改善していかなければなりません。しかし、データの分析・活用の方法がわからないと、SFAは単に「データを入力する箱」としてしか機能せず、成果につながらないのです。

SFA運用が失敗する原因

前章で紹介したように、SFA運用に関する失敗例は多岐にわたります。なぜこのような事態が起きるのかというと、大きな原因としては「現場とのギャップが生じている」ということが考えられます。

営業担当者自らが営業課題を感じて「SFAを導入したい」と言い出すこともあるかもしれませんが、経営層やマネージャー層が「とりあえずどの企業でも導入しているから」「SFAを導入してみよう」などと目的やゴールがあいまいなまま導入を進めることも多いでしょう。

企業によっては、情報システム部や営業企画部などがSFA導入を決定するケースもあります。

このように、営業現場から離れた役職・部門の人がSFA導入や選定を進めると、現場の実態にそぐわないSFAが導入されてしまいます。

そうなると、営業現場のSFA運用のモチベーションは低いですし、そもそも運用体制やツール自体が営業現場にマッチしていないため、運用が定着しないのも無理はありません。

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SFA導入時にするべきこと

SFAを安定して運用していくためには、まずは事前にしなければならないことがあります。事前準備を整えておくことで、その後の運用定着がスムーズになるでしょう。

導入目的を明確にする

なぜSFAを導入するのか明確にしなければ、営業現場の理解が得られません。

営業現場は日々の営業活動が忙しく、SFAを運用するとなると、新しい業務フローを増やしたりツールの使い方を覚えたりする必要があります。「流行っているから」「なんとなく」といったあいまいな理由でSFAを導入すると、営業現場はSFA運用の意義がわからないため、反発が生まれる可能性が高いでしょう。

また、SFAの導入目的があいまいだと「どのような機能が必要なのか」「どう設計すべきか」という方向性が定まらず、適切なSFAの選定や設計ができません。

そのため、自社の営業課題を踏まえたうえで、どのような目的でSFAを導入するのか明確にしてから、自社に最適なSFAを選定しましょう。

関連記事:SFA導入の目的とは?メリットや事例をもとに失敗しないSFA導入方法を解説

自社に必要な仕様を整理する

目的が明確になったら、その目的を達成するためにどのような仕様が必要か整理します。事前に整理できていると、具体的なSFA選定の際にスムーズです。

SFA導入の目的によって、必要となる仕様が異なります。たとえば「新規獲得の強化」が目的だとすると、リードの情報を整理するための名刺管理機能や、リードの育成に活用できるメール配信機能などがあると便利です。

また、導入目的だけでないポイントも重視しなければなりません。たとえば「セキュリティ面に気を付けたい」ということであれば、ユーザーごとの権限設定機能や、ログイン時の多要素認証機能などがあると安心です。

このように、自社の導入目的や状況に合わせて、必要な仕様を整理しておきましょう。

関連記事:SFAで解決できる課題とは?導入メリット・デメリットも解説

導入メンバーを選定する

SFAの導入・運用をスムーズにするためには、率先して社内を引っ張っていく存在が必要です。営業現場の事情を理解していたうえで最適なSFAを選定でき、現場担当者たちの質問や疑問に答えながら活用を促進していくことができるメンバーをアサインしましょう。

営業組織の規模によっては、複数人で専門チームを構成する必要もあります。

自社に合ったツールを選定する

SFAの運用定着で最も重要と言っても過言ではないのが「自社に合っているかどうか」です。

前述した、導入目的に沿っているかどうか、というポイントだけでなく、「営業現場の使いやすさ」「データの見やすさ」「セキュリティ面」など、自社が重視するポイントにマッチしているかどうかが大切です。

いくつかのSFAを調べ、必要があれば無料トライアルなどで使い勝手を確かめて、自社に合っているかどうか判断するとよいでしょう。

関連記事:【2024年最新】SFAツール(営業支援ツール)おすすめ比較10選|CRM・MAとの違いも解説

SFA運用の3つのポイント

前章で挙げたポイントをクリアして準備が整ったら、SFA運用を始めましょう。本章では、SFAを運用していくにあたって重要なポイントを紹介します。

関連記事:SFA活用のための8つのポイント|定着しやすいSFAとは?

現場の理解を得る

SFAの効果的な運用には、営業現場の協力が不可欠です。導入の目的やメリットをしっかり伝え、積極的に使用してもらえる環境を作りましょう。
全員の理解を短期間で得るのは難しいため、導入前から現場担当者に選定プロセスへの参加や無料トライアルの利用を促し、導入前に協力関係を築くことが大切です。

できるだけ入力項目を減らす

SFAの円滑な運用のためには、現場の負担を軽減することが重要です。入力項目は必要最低限に絞りましょう。
多くのデータを取得したいと考えるかもしれませんが、入力項目が多すぎると現場の負担が増し、入力の継続が困難になります。

また、データが過多になることで、マネージャーや経営層の分析作業が煩雑化し、適切な判断ができなくなる恐れもあります。
まずはスモールスタートで最小限の入力項目から始め、必要に応じて項目を追加していく方法が効果的です。

蓄積したデータを活用してメリットを伝える

SFAはデータの入力だけで成果が出るものではなく、蓄積データの活用が成功の鍵です。蓄積されたデータを分析し、営業組織や担当者の強み・弱みを可視化することで、次の営業戦略を立案し、成果につなげることができます。

また、営業担当者はデータ入力に多くの工数をかけています。
データが有効活用されなければモチベーション低下の原因になりますが、データが営業成果向上に寄与していると実感できれば、入力意欲の向上につながります。
定期的にデータの活用成果を共有し、データ入力の重要性を伝えましょう。

関連記事:SFA導入効果とメリット・デメリットを徹底解説

SFA/CRMの運用定着事例

最後に、SFAの運用定着を成功させた企業事例を紹介します。

ここでは、例として当社のSFA/CRM「Mazrica Sales」の導入事例を紹介します。

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株式会社学研スタディエ

学習塾を展開する、学研グループの株式会社学研スタディエ。本部に寄せられた新規のお問い合わせ内容を各校へと展開するのですが、その方法では営業効率が悪く、お問い合わせから入塾までに時間を要していたそうです。

さらに、各校では講師が営業も兼務しており、Excelで情報管理をしていたため引き継ぎや休眠顧客の掘り起こしなども非効率になっていました。

そこで、講師がスムーズに営業を兼務して成果を上げられるよう、シンプルで複雑すぎないMazrica Salesを採用することに。塾での運用を念頭に設計し、Mazrica Sales導入後すぐにExcelを廃止しました。

各校を回ってマニュアルを用いて使い方を説明したり、活用できていないメンバーには個別にフォローしたりしたことで、着実に運用を定着させました。

事例詳細:1年で商談件数が約1.4倍に!兼任での営業活動を支える「直感的なUI・UX」がMazrica Salesの魅力

一正蒲鉾株式会社

主に水産加工物の製造・販売を展開する一正蒲鉾株式会社の営業部門では、商談日報の管理システムをはじめとする多数の営業システムが導入され、一つひとつの入力作業や分析などに多くの工数が割かれていました。

そこで、営業現場が使いやすく、営業に関するあらゆる情報を一元管理するためにSFAを導入することにしました。Mazrica Salesは営業現場がスムーズに入力できる点や、視認性や操作性がよい点などに魅力を感じ、導入を決定。

導入後、まずは触ってみることからスタートさせ、地道に運用を進めたそうです。また、経営層への報告の際にもMazrica Salesを活用するようにし、少しずつ活用が促されていきました。

その結果、営業所内だけでなく、全国の営業所間での情報共有が活性化され、営業の成果にもつながっているそうです。

事例詳細:半年で商品採用率は約2倍に!Mazrica Sales導入で効率的かつ効果的なデータ利活用が実現

スぺラネクサス株式会社

医薬品などに使われるファインケミカルと呼ばれる付加価値が高い化学工業製品や精密化学製品などを取り扱うスペラネクサス株式会社。

以前はSFAを導入していたこともあったそうですが、なかなか運用が定着せずに失敗してしまい、結果的に営業活動は属人化していたそうです。

そうした失敗の経験を踏まえ、現場の声を取り入れながら導入を進めることに。現場の利用が期待できるSFAの要件に当てはまったのがMazrica Salesでした。

導入の目的や効果などをオンラインで説明したあと、各拠点に訪問して直接使い方を説明し、3カ月間のプレ運用を経て本格的に運用をスタートさせました。

営業現場を尊重して進めたことで運用が定着していき、営業の属人化という大きな課題の解決へと歩みを進めているそうです。

事例詳細:現場の業務に寄り添う圧倒的な使いやすさで、営業・顧客情報の集約が実現。効率的な営業活動が可能に

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運用・定着しやすいSFAならMazrica Salesがおすすめ

Mazrica Sales製品イメージ

SFAは導入して終わりではなく、いかに円滑に運用していくかが重要なポイントです。

しかし、SFA運用に課題を抱えている組織が多いのも実情です。運用課題は多岐にわたりますが、その中でも「営業現場にとって使いにくい」という点が挙げられます。

Mazrica Salesは営業現場の使いやすさにこだわったSFAのため、今までSFAの運用に失敗した経験のある企業様がMazrica Salesに乗り換えて成功した事例も少なくありません。

複雑なカスタマイズや設定をする必要なくスムーズに導入でき、モバイルデバイスからのデータ入力や外部ツールとの連携によるデータ同期などで現場の負荷を軽減した運用で、着実に軌道に乗せることが可能です。

また、オプションでサポートも提供しているので、運用が心配な方には手厚くご支援させていただきます。

Mazrica Salesの詳しい情報は以下の資料で紹介していますので、ぜひダウンロードして確認してみてくださいね。

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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