計画的に営業活動を進めることは、限られたリソースを効率的に投資して最大の成果を出すための近道です。

ところが理想や目標だけを反映させた営業計画を立ててしまうと、実現が難しくなってしまい会社に不利益を出してしまいかねません。

精度の高い売上予測を基に正確な営業計画を立てるためには、過去の営業履歴や売上実績などのデータを活用するのがポイントです。

今回は売上見込みの精度を上げ、目標を達成できる営業計画を立案するコツ、SFA活用術をお伝えします。

営業計画とは?

営業計画とは、営業活動における課題を把握し、数値目標、KGI・KPI設定、営業戦略などの流れをまとめたものです。

営業計画は経営戦略上のポジショニング、ターゲットとする市場を踏まえ、目標から逆算したアクションプランを「営業計画書」としてまとめます。

営業活動に必要なリソース(人・モノ・お金)には限りがあるため、限られたリソースをどこに使うか(投資するか)も併せて検討する必要があるわけです。

営業計画は、営業における地図のようなものです。

航海に地図は必要不可欠ですよね。

地図である営業計画に含まれる要素には、それぞれのポイントがあります。

営業計画作成のメリット

営業計画を作成することで、課題が明確になり、戦略や戦術を立てやすくなります。 計画を立てることで理想の姿が明確になり、現状の進捗状況と比較することで課題が浮き彫りになります。

例えば、売上目標に対して遅れがある場合、受注数が不足しているのか、顧客単価が低いのかを判断します。

受注数が不足している場合は、商談数が足りないのか、受注率が低いのかを見極め、それに対する対策を考えます。

商談数が不足している場合はマーケティング部署との連携やテレアポの増加、受注率が低い場合はトークスクリプトの見直しなどが考えられます。

このように、対処すべき課題が分析しやすくなります。

営業計画に必要な10項目とテンプレート

営業計画に必要な項目は10個あり、具体的な項目は以下のようなものが挙げられます。

  1. ミッション
  2. ターゲット
  3. ポジショニング
  4. チーム体制
  5. 予算
  6. 必要なツール
  7. 営業におけるKPI
  8. マーケティング戦略
  9. 新規案件獲得戦略
  10. 具体的なアクションプラン

何もない状態から目標を設定するのではなく、目標達成に必要な、

  • 営業活動に関わる内部要因(チーム体制や予算など)
  • 外部要因(ターゲット市場や競合の状況など)

を考える必要があります。

内部・外部要因の情報をもとに目標(KPI)を設定し、続いて目標を達成するための具体的なアクションプランを設計する流れです。

「営業計画」は上記の項目に分解し、1つ1つ設計する必要があります。

関連記事:営業アクションプランの書き方・立て方|目標達成までの道筋の描き方

①ミッション

営業計画を立てる際は目標となる数字に目が行きがちですが、ミッションつまり「何のために営業目標を達成するのか?」を明確にするところからスタートします。

なぜミッションが重要なのかと言うと、数値目標だけでは営業パーソンのモチベーションが維持できない可能性もあるからです。

目的なき目標に向かって働き続けられる人材はほとんどいません。

まずは目標の先にあるビジョンを明確にすることが重要です。

ミッションの設定例:

「当社のミッションは、革新的で高品質な製品を提供し、お客様のビジネスを成功に導くことです。徹底したニーズ理解、充実したカスタマーサービスを通じて、信頼されるパートナーとなることを目指します。」

②ターゲット

次にターゲットを明確にします。ターゲットが曖昧だと、具体的な営業施策も曖昧なものになってしまいます。

そのため、ペルソナを設定し、顧客ターゲットを明確にすることが重要です。

ターゲットが決まれば、届けるメッセージや営業の戦略/戦術も変わってくるでしょう。

ターゲットの設定例:

「当社のターゲット市場は、都市部の不動産業者である。バイヤーペルソナは不動産会社の営業担当者や不動産仲介業者のオーナーであり、顧客との関係管理や物件情報の管理、営業パフォーマンスの最適化に関心がある。不動産業界に特化した弊社の営業支援システム(SFA)の業務の自動化、データの一括管理などの機能によって、取引速度の加速と顧客満足度の向上を実現できる。」

関連記事:ターゲティングとは?代表的なフレームワーク(STP分析・6R)を紹介

③ポジショニング

市場における自社の位置づけを明確にすることで、自社の強みや弱み、競合他社との違いをスムーズに理解できます。
他社との違いを示し、顧客にとっての自社の優位性や特長を強調しましょう。

チーム体制の設定例:

  • 市場環境:BtoBソフトウェア市場は急速に成長しており、特にクラウドベースのソリューションが人気。企業がDXを推進する中、当社が提供するクラウド型プロジェクト管理ツールの需要が拡大中。
  • 強み:高度なカスタマイズ機能、ユーザーフレンドリーなインターフェース
  • 弱み:海外市場での認知度の低さ
  • 機会:リモートワークの普及
  • 脅威:技術の急速な進化

関連記事:ポジショニングとは?ポジショニング戦略の進め方と成功事例

④チーム体制

次に重要なのが「チーム体制」です。

特にBtoBビジネスの営業は一人で営業活動を完結させることが難しいと言っていいでしょう。

営業部門間の連携はもちろん、マーケティング部門との連携を密にすることで営業目標を達成しなければならないケースも多々あります。

誰がどのような役割を担うのか?具体的な業務を明確にすることで、より具体性のある営業計画を作成することができるわけです。

チーム体制の設定例:

  • 営業部長(1名):営業全体の戦略を策定し、チームをリードする
  • 営業マネージャー(2名):営業部長をサポートし、営業チームの日常の管理を担当する
  • アカウントマネージャー(5名):主要なクライアントとの関係を管理し、新規ビジネスの開拓に注力する
  • フィールドセールス(10名):訪問等を通じて、新規および既存顧客との関係を直接構築する
  • インサイドセールス(5名):オフィス内での営業を通じて、リードの生成と初期コンタクトを担当する
  • 営業サポート/営業事務(2名):営業管理、バックオフィス業務を担当する

⑤予算

営業目標を達成するために、まずはどの程度の予算が必要なのか?またはどの程度の予算が割り当てられる予定なのか?を把握することが重要です。

なぜなら、予算の範囲の中で出来うる計画を立てなければならないからです。

営業目標を達成するために、新たな人材が必要になるケースもあるでしょうし、新たなツールが必要になるかもしれません。

洗い出せる費用項目は最初に洗い出しておきましょう。

予算の設定例:

  • 年間総予算: ¥50,000,000
  • 予算内訳: 人件費、ツール・技術費、マーケティング費用、教育・研修費、その他の営業活動費
  • 予算詳細

⑥必要なツール

営業計画を作成し、目標に向けて動く際に、人の力だけではどうにもならない場合もあります。

時間は有限なので、生産性や営業効率を上げることができたり、成果につながるツールであれば予算の範囲の中で積極的に活用するといいでしょう。

営業計画を推進する上で、例えばSFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)などを活用するのはおすすめです。

SFAやCRMを活用することで、現状の把握、進捗度合い、具体的な成果などに簡単にアクセス可能になるからです。

データを元にした営業計画の立案、実行、振り返りまでを簡単に行うことができます。

必要なツールの設定例:

  • 目標達成に必要なツール:SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)
  • 導入目的:営業プロセスを標準化し、全体の営業活動の一貫性を確保したい。

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⑦営業目標(KGIとKPI)

KGIと前述のKPIも営業計画を策定する際に必要な項目です。KGIとは「目指すべき最終的な目標」であり、KGIを達成するためにKPIという指標を設定します。

仮に今期の売上をKGIとして設定したのであれば、KGIを達成するために必要なKPI(例えば、フィールドセールスであれば商談数、インサイドセールスであれば、架電本数など)を設定し、日々KPIを意識した営業の行動計画を想定することが重要になります。

一般的に言われているようなKGIやKPIではなく、自社の状況やビジネスモデルなども踏まえたKGI・KPI設定が大切です。

営業目標(KGIとKPI)の設定例:

  • KGI:売上を前年度より20%増やし、4800万円にする
  • KPI:営業のアポイントの数を15%増やす

関連記事:KGIとは?KPI・OKRとの違いをまとめて解説

⑧マーケティング戦略

営業活動をサポートするためのマーケティング施策を記載します。オンラインとオフラインのマーケティングチャネル、プロモーション活動、ブランド構築のための取り組みなどを詳細に説明します。

マーケティング戦略の設定例:

  • コンテンツマーケティング:週に1回のブログ投稿と月次のホワイトペーパーを通じて、顧客に有益な情報を提供する
  • ソーシャルメディアキャンペーン:Facebook、LinkedIn、Twitterを活用して、新製品やプロモーション情報を発信する
  • オンライン広告:Google AdsとFacebook Adsを使用して、ターゲット市場にリーチする
  • イベント出展:業界の主要な展示会に出展し、ブランドの認知度を高める

⑨新規案件獲得戦略

新規顧客の獲得方法を明確にします。リードジェネレーション戦略、見込み客へのアプローチ方法、初回契約を得るための戦術などを具体的に記載します。

新規案件獲得戦略の設定例:

  • リードジェネレーション:ウェビナー開催によるリード獲得
  • リードナーチャリング:メールマーケティングによるリード育成
  • リードクオリフィケーション:スコアリングシステムによるリードの優先度設定

関連記事:新規開拓とは?9つの営業手法とうまくいかない時の対処方法

⑩具体的なアクションプラン(行動計画)

そして、最後に具体的なアクションプラン(/行動計画)を作成します。初めからアクションプランを書こうと思っても、なかなかうまくいきません。

これまで紹介してきたような営業の項目を丁寧に埋めながら、最後にプランを作成することで、納得感の高い計画を作ることができます。

具体的なアクションプランの設定例:

【新規受注数100件/月を達成する】

  1. 1日50件テレアポをする
  2. 30件の既存顧客から新規を紹介してもらう
  3. 毎日3件以上商談を行う
  4. 提案資料を改善する
  5. 電子契約を導入してリードタイムを短縮する

関連記事:営業アクションプランの書き方とは?目標達成の道筋の立て方

営業計画の立て方・実行方法

正しく、かつ実行可能な営業計画を立てるためには、過去の営業データを基にした目標数値やアクションを決める「データドリブン」な方法が最適です。

ここでは、データを活用した営業計画全体の立て方を解説します。

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事前準備を行う

データドリブンな営業計画を立てるには、まず事前の準備が必要です。

活用できる過去のデータや予算などを把握できなければ、何から手をつけていいのか分からなくなります。

具体的な目標を設定し、目標から逆算したデータドリブンな営業計画を立てるためにも、材料を集め、事前準備をしておきましょう。

営業プロセス全体を可視化する

まずは、営業活動における受注または失注までのプロセスを可視化することから始めましょう。

可能であれば、マーケティングやカスタマーサクセスなどを含めたビジネスの全体像を可視化します。

上の図はマーケティング、営業、サポートに至るまでの営業プロセスの一例です(赤枠が主に営業が担当するプロセス)。

営業プロセスは業種・業態、企業ごとに異なります。

営業プロセスの設計に問題がある場合もあれば、プロセスのどこかに課題(弱点)がある場合もあるでしょう。

いずれにしても、営業プロセスを可視化することから始めなければ、問題を特定することはできません。

プロセスが整理できたら、それぞれの数値まで可視化しておきましょう。

例えば、ある年の上期全体のアプローチ数が◯件、提案数が◯件のように、各数値を埋めていけば、プロセスの中のどこに課題があるのかが把握できます。

目標に必要なプロセス毎の数値を把握する

現状を把握できたら、全体の売上や利益などの数値目標を達成するために、各プロセスでどの程度の数字を作っていけばいいのか?を逆算して考えましょう。

営業目標から逆算して考えることで、各プロセスの中でどの程度の数字を作る必要があるのか?

過去のデータと比較して、どの程度伸ばす必要があるのか?などの示唆が得られるはずです。

関連記事:営業プロセスとは?見える化の効果と営業力強化のポイント

注力すべき営業プロセスを特定する

ファネル分析

営業プロセスの全体像と各プロセスの数値を可視化することで、プロセスのどこに課題があるのか見えてくるでしょう。

各プロセスの数値とその後のプロセスへの転換率として出します。

例えば、100件の提案に対して、50件のクロージングができたら、転換率は50%です。

50件のクロージングに対して、5件の受注に繋がったのであれば、転換率(受注率)は10%となります。

転換率を算出することで、より注力すべき営業プロセス(ボトルネック)を把握することが可能です。

関連記事;クロージングとは?営業の流れや成約率を高めるコツ・テクニックを例文で解説

目標数値とアクションプランを考える

課題やボトルネックを特定できたら、次は具体的なアクションプランを考えます。

例えば、商談の数が足りていないのであれば、以前のヒアリングの方法や手順などを変えて、商談化率を上げる必要があるかもしれません。

商談化率は高いのであれば、マーケティング部門と連携して、質の高いリードを獲得し、ヒアリングの数をこなすことが重要になってくることもあるでしょう。

いずれにしても、アクションプランを考える際は、複数のアクションプランを立てておくことも重要です。

全てのアクションが100%結果につながるとは限りません。

複数のアクションプランを用意しておくことで、上手くいかなかった時のリカバリーまで可能になります。

営業計画を立てる際の4つのポイント

営業計画を立てる際の4つのポイント

実際に営業計画を立てる際にポイントとなる項目を見ていきましょう。

ここでは、

  • 営業課題・ボトルネックを把握する
  • 数値目標を立てる
  • STP分析を行う
  • 営業戦略/営業戦術を立てる

の4つに分けて解説します。

営業課題・ボトルネックを把握する

営業戦略を立てる際に、まず必要なのは「現状の把握」です。

中でも、現状の営業課題、ボトルネックになっているところを把握するのが重要です。

営業課題、特にボトルネックの解消は、営業成果に大きく直結します。

営業課題を洗い出すと共に、優先度をつけて解決に向けた営業計画を立てるようにしましょう。

数値目標を立てる

地図の目的地となる部分が数値目標です。具体的な値で数値目標を決めることが、営業関係者のやる気とモチベーションを向上させます。

目標は高すぎず、低すぎずを意識することが大事です。 以下のKPIの立て方に関する記事も参考になるかもしれません。

営業のKPIとは?設定方法や指標例・KGIとの違いを簡単に解説

営業計画を遂行するには、フォーキャスト管理を実践して立てた数値目標とのギャップが広がらないように管理することも重要です。

関連記事:フォーキャストとは?営業における重要性や手順、精度を上げる4つのポイントを解説

STP分析を行う

最適な道を見つけるために大事なのがSTP分析です。

市場はどのようなグループにわかれていて(S:セグメンテーション)、自分たちはどのようなターゲット層に商品を届けるのか(T:ターゲティング)、自社の製品はどのような独自性を持ちどのようなポジションにいるのか(P:ポジショニング)、を明らかにするのがSTP分析の作業です。

STP分析をせずに商品を売ることは不可能であるといっても過言ではありません。

関連記事:セグメンテーション(セグメント分け)とは?事例で学ぶセグメンテーションと方法

営業戦略/営業戦術を立てる

目的地までどのような方法で向かうのかを考えるのが営業戦略です。

つまり、数値目標が決まっていたとして、どのようにすればたどり着けるのか営業戦術を策定して実行します。

例えば、新規顧客を30社獲得するのが目標だったとしましょう。

そうしたら、

  1. 新規の見込み顧客を120社獲得すること
  2. 目標を達成したチームにボーナスの支給
  3. マーケティングチームと協力してイベントの開催

といった営業行動の過程が見えてくるはずです。

営業戦略の詳しい立て方については、以下の記事が参考になります。

関連記事:営業戦略の立て方 | 目標設定から顧客満足までの5つのステップ

併せて営業戦略を立てる営業マネージャーが意識すべきことをこちらの資料にまとめました。
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SFAを活用した営業計画の立て方とモニタリング例

SFAを活用した営業計画の立て方とモニタリングの方法について解説します。

SFAを活用すると、営業計画を立てやすくなるだけでなく、日々のモニタリングまで可能になります。

SFAを活用した営業計画立案

データを活用した営業計画立案には、SFA(営業支援システム)の導入がおすすめです。

SFAには顧客情報だけでなく案件の情報やプロセス毎の数値の算出・共有、営業毎のアクション内容まで蓄積できます。

売上実績とともに分析もできる、データドリブンな営業に必要なツールです。

関連記事:SFAとは?CRMとの違いは?意味・役割・主な機能をどこよりもわかりやすく解説

SFAに蓄積されているデータを基に分析すれば、

  • 「一ヵ月のうちに10件の受注を取るためには、○件の新規との商談を実施しなければいけない」
  • 「テレアポでの受注率が高いからテレアポは1日○件したほうがいい」
  • 「リードタイムが短い案件は3回以内の訪問で受注が取れている」

などの仮説を元にしたアクションプランまで立てることができます。

SFAに蓄積したデータを基にして毎月の営業アクションのKPIを定め、営業計画に落とし込んでいくのです。

SFAを活用したモニタリング例

SFAを活用すれば営業計画を立てるだけでなく、数値のモニタリングも可能です。

例えば、グラフをもとに「商談件数が足りない」「ひとつの取引先に対して訪問回数が多すぎる」などの課題やボトルネックが見つかれば、解決を見越した営業行動計画の立案が可能になります

SFAではレポート機能が標準搭載されており、営業アクション分析やファネル分析(受注率の分析)などを活用することで、より課題を見つけやすくなるでしょう。

AIを活用したモニタリング例

Mazrica SalesのAIフォーキャスト機能は、過去の類似案件に基づいて進行中案件の受注確率・契約金額・契約日を予測してくれる機能です。各予測に対する影響項目も提示されるため、事前にリスクを把握して対策を取ることができます。また類似した案件を確認でき、その案件の進め方で何が良かったのかを理解できます。また次のアクションを提案してくれる機能もあり、進行中案件の進め方について具体的にイメージできるでしょう。

案件の進め方がわからないときは、さまざまな案件から情報を抜き取って次のアクションを考えなければいけません。しかし忙しい営業担当者は、そのような分析や戦略立案の時間を充分に確保できません。しかしAIは、過去の類似案件のデータを自動で探し出し、その案件のどの部分が受注につながるポイントだったのかを見つけ出せます。

過去案件が受注に至った経緯やポイントがわかることで、営業担当者は次のアクションを考えやすくなります。また過去案件の担当者とのコミュニケーションもスムーズになり、より精度の高い商談を展開できるようになるでしょう。

  • 予測受注金額

最終フェーズの案件の契約金額の集計値に加えて、進行中フェーズの案件のAI予測契約金額の集計値の合算値が表示されます。受注金額同様、目標に対する達成度合いが%表示され、過不足が金額表示されます。※目標に対してマイナス(プラス)の場合、赤字(緑字)表示されます。

チーム・担当者ごとの予実を確認する

初期表示では、チームごとに予実が表示されています。チームをクリックすると、担当者ごとの予実表示に切り替わります。

どこのチーム・担当者に改善の余地があるのかを把握できます。

営業計画通りにいかない3つの理由

会社の経営では、売上予測を立て、予測に基づいて原料の調達や人手の確保を行います。

予測していた売上が入ってこないと在庫が増えてしまったり人手が余ってしまいます。

一方、予定外の売上があると原料不足になったり残業代が多くかかるということもあり得るわけです。

そのため、限られたリソースを効率的に投資するためには、精度の高い売上予測が欠かせません。

売上予測に欠かせないのが、正確な営業計画です。

しかし、売上計画をしっかり立てたつもりでも、売上精度が低いように感じられることが多々あるはずです。

ここでは営業計画に基づく売上の精確さを阻害する要因について紹介します。

1.受注の前倒し

商談にて顧客から「社内稟議があるため正式な発注はだいたい3カ月後になりそうだ」と言われるのは、営業現場ではよくあることです。

しかし、マネージャーから「来月の売上見込が少ないからなんとか来月の受注にするよう手配してくれ」と受注の前倒しを指示されることもあるでしょう。

本来は3カ月後の受注となるものを1カ月後にするため、営業担当者は該当の顧客フォローで手一杯になってしまい、他の顧客への対応や新規開拓がないがしろになってしまいます。

1ヵ月後の受注に前倒しをするため、顧客にも無理を強いることになれば、結果として信頼感を失い、失注してしまうかもしれません。

BtoBであれば、社内の購買プロセスに時間がかかってしまうため、確実に来月の売上にできるかどうかも判断できかねます。

このように、目先の売上ばかりを追ってしまうと後々の売上予測にも影響を及ぼしてしまいますし、コストがかかってしまったり営業チャンスをロスすることにもつながるのです。

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2.顧客都合での受注遅延

先ほどの例と同じように「正式な発注は3カ月後になりそうだ」と顧客に言われていて、3カ月後に連絡をしたところ「忘れていた」「まだ社内稟議に時間がかかっている」と、顧客の都合で受注が先送りになることもあります。

受注の先送りの場合も見込んでいた売上がなくなってしまうため、売上予測が外れてしまいます。

上記のケースでは、営業担当者が直接的な原因ではありませんが、期間中にフォローをしたり連絡をしたりする気配りがあれば、受注遅延の事態は避けられたでしょう。

3.受注予定の未報告

先ほどの例のように、3ヵ月後など先の受注予定の場合、営業担当者がマネージャーなどに報告しないことで売上予測の精度を下げている場合もあります。

確実な受注となる発注書や契約書を取り交わすまで報告を怠っていると、急な売上が発生してしまうことになるからです。

急な受注が入ってしまうと、例えばモノづくり企業の場合、生産計画が狂ってしまい人員の確保も難しくなってしまいます。

関連記事:営業日報・営業報告書の書き方とは?例文や項目・Excelテンプレートを解説

SFAを活用したデータに基づく営業計画で目標を達成しよう

精度の高い営業計画は、効率的で健全な組織運営には欠かせません。

そのためには日々の営業活動や売上を蓄積し、多角的に分析する必要があります。

「営業に行って終わり」ではなく、過去の営業をデータ化して活用することで、未来の売上につながるのです。

SFAツールの活用によって、進行中の案件の進捗管理と蓄積データの分析・予測が同時に行えるため、データに裏付けられた高精度な営業計画書を作成することが容易になります。

現在SFAを導入している企業も、顧客管理や売上管理だけでなく、これからは営業計画にもSFAを活用してみてくださいね。

こちらの資料では、本文でも紹介した「Mazrica Sales」の機能詳細や現場での活用方法について詳しく説明していますので、「営業計画の作成に適したSFAを導入したい」と考えている方はぜひご覧ください。

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