新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が全国に発令されたのが2020年4月17日。
それから1ヵ月以上を経て、5月25日に全国で解除されました。
外出自粛期間中に急速に広まったテレワーク・リモートワークという働き方により、営業活動でも顧客の元へ訪問するスタイルからリモート型に移行したという企業が多くなっています。
リモート営業を進めるためには、ITツールの活用が必須と言えるでしょう。
つまり、営業のデジタル化が急務なのです。
これからのb2b営業を改めて構築していくにあたり、本記事を参考にしてみてくださいね。
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この記事の内容
営業活動における今後の展望
働き方や対面についての意識ががらりと変わった中で、今後の営業活動はどのように変わっていくのでしょうか。
ここで、緊急事態宣言中の2020年5月5日にMcKinsey & Companyが発表した調査結果をご紹介します。
この調査結果によると、日本のb2b企業のうち93%もの企業がコロナ・ショックの間にGTMモデル(※どのように自社サービスやプロダクトを顧客へ発信して、営業活動につなげていくか、という事をまとめたプラン)を変更し、そのうち68%が新しいモデルの効果を感じているということが判明しました。
この“新しいモデル”の内容とは、言うまでもなくオンライン中心の営業活動のこと。
同調査結果によると、従来の営業手法とデジタルの営業手法の選択度を比較した際、デジタル営業が従来の営業手法の約1.6倍という結果になりました。
WEBを活用したデジタル営業について、63%もの日本のb2b企業が「12カ月以上継続する可能性がある」と回答しています。
また、消費者はオンラインでのセルフサービス型の購買行動、つまりECでの購買がコロナ・ショック前よりも12%増加していることも判明。
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つまり、コロナ・ショックの間に緊急的にデジタル営業に移行したb2b企業が多い中で、その効果が高いことに気づいた企業も多く、今後はデジタル営業が営業の新しいスタンダードモデルになっていくことが予想されます。
そして、セルフサービス型の購買活動を企業が支援していく仕組み作りが必要とされるでしょう。
テレワークの普及と変わるマーケティングと営業
テレワークの普及は自社だけのことではなく、取引先でもテレワークを導入していると、B2Bのマーケティングや営業は従来の手法が通用しなくなってしまうのです。
実際にどのような弊害が起こっているのかを見てみましょう。
【マーケティング】
- ターゲット企業のオフィスに誰もいないためテレアポをしても誰も電話に出ない
- ターゲット企業のオフィスに誰もいないため郵送DMが開封されることがない
- 通勤者が減るため電車や駅など街中の広告の効果が出ない
- 三密回避のため自社開催セミナーは中止
- 大規模イベントの自粛により展示会中止
【営業】
- 顧客(担当者)がテレワークをしているとフィールドセールスができない
- 訪問できないためヒアリングや情報収集が困難
- 先方の決裁スピードの低下によりリードタイムが長くなる/失注してしまう
- チーム内での情報共有や他部署との連携が困難
- チームメンバーの教育やコーチングが困難
そして、テレワークによるこのような弊害に対応するために、B2B企業は前項のようにオンライン/デジタルを積極的に取り入れるようになっているのです。
関連記事:DX戦略とは?戦略立案・推進のポイントとDX化の成功事例を紹介!
営業プロセスのオンライン化
テレワークによる弊害への対策として、人と直接会う必要のあるオフラインでの今までの活動を、直接会わずにリモートで対応できるオンラインの活動へと切り替える必要が出てきます。
代替となる具体的なオンライン活動は、以下のようなものになります。
【リード獲得のための情報発信やアプローチ】
- メールマーケティング導入
- SEO強化
- WEB広告、SNS広告強化
- オウンドメディアやブログの運営
- LPやホワイトペーパーの作成
- オンランセミナー(ウェビナー)の開催
【リードの育成や商談創出】
- メールマーケティング
- チャットによる顧客とのやり取り
- MAによるスコアリングやマーケティングシナリオ作成
【商談からクロージング】
- オンライン商談
- オンライン商談用の資料や動画作成
- 電子契約サービス
【社内の情報共有】
- オンライン商談の録画や録音
- グループウェアの導入
- SFA/CRMの活用
- ツール同士の連携
このように営業プロセスをオンライン化することによって、今までオフラインで行ってきたことに近いレベルでの営業活動が可能になります。
また、オンライン営業を導入することで移動時間などが削減され、提案内容や資料のブラッシュアップや1日のうちに対応できる顧客数の増加などのメリットも期待できます。
セールステックの活用でB2Bのニューノーマルへ
セールステック(営業=Sales、技術=Technology)とは営業の効率化や生産性向上のためのITツール全般を指します。
インターパーク社の「Sales Techカオスマップ2019」によると、セールステックには8つのカテゴリーがあるとしています。
- フィールドセールス/SFA
- インサイドセールス/MA
- カスタマーサポート
- BI
- グループウェア
- オンライン商談
- ペーパーレス
- セールスイネーブルメント
これらのセールステックを適切なシーンで使い分けて活用することが、これからのb2b営業に求められるでしょう。
セールステックに関する詳細はこちらの記事内で解説しています。
関連記事:セールステックとは?7つのカテゴリーを解説|今後の営業に求められる4つのスキル
オンライン商談と求められるITリテラシー
フィールドセールスが困難になるため、対面での商談ではなくオンラインでの商談が主流になります。
オンライン商談とは、文字通り、ITツールを活用してWEB上で商談を行うこと。
相手の表情を見ながら話すことができるため、電話よりも格段に温度感が伝わりやすくなります。
ただし、オンライン商談を実行する場合は、その特長を活用しなければうまくいきません。
オンライン商談システムには画面共有の機能があるため、積極的に資料や動画などを共有して視覚的に訴えます。
オンライン商談用の資料や動画を作る必要も出てくるでしょう。
また、オンライン商談はわざわざ会議室などの場所を確保する必要がなく手軽にアポイントを取りやすいため、短時間の商談を何度か重ねて話を詰めていくことができます。
オンライン商談は実際に顔を合わせていないため相手の集中力も持続しないので、短時間での商談を重ねることは効果的です。
しかし、毎回同じ資料を出していては意味がありません。
適切なタイミングで適切な資料を提示して話を進めていかなければいけないため、毎回新しく資料を用意する必要も出てくるでしょう。
このように、オンライン商談を導入するにあたって、今までの訪問営業ではそれほど必要としなかったITリテラシーが求められるようになるのです。
オンライン商談のコツやツール選定のポイントは、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:オンライン商談のコツ|コロナで変わる営業スタイル
バイヤーイネーブルメントの構築
先述のMcKinsey & Companyの調査結果の通り、B2Bでもセルフサービス型の購買行動に変化してきています。
企業の購買担当者たちはインターネットから必要な情報を自分自身で得られるようになり、b2bの営業担当者たちの営業トークや提案スキルの必要性が低くなってきました。
そこで、そのような購買担当者(バイヤー)にとって有益な情報を提供することで受注を取るという動き「バイヤーイネーブルメント」の重要性が謳われるようになったのです。
バイヤーイネーブルメントでは、最適なタイミングでコンテンツを提供しなければいけません。
Demand Gen Report社のレポート内容から、b2bの購買担当者が求めているコンテンツが分かりました。
・b2bの購買担当者のうち77%が3つ以上のコンテンツを利用してから営業担当者へコンタクトをとっている
→最低でも3つ以上のコンテンツを用意しておく必要がある
・購買プロセスの各ステージで価値を感じるコンテンツは、初期では「インフォグラフィックス」「まとめ記事」、中期では「動画」「ウェビナー」、初期と中期どちらでも「電子書籍」「ビジネスブログ」、初期・中期・後期すべてで「ポッドキャスト」「ホワイトペーパー」
→購買プロセスに合わせたコンテンツを用意する必要がある
関連記事:ホワイトペーパーの作り方・書き方のコツ!マーケティングの活用事例も解説
現代の購買活動に効果的なバイヤーイネーブルメントを取り入れる際には、購買担当者にとって有益なコンテンツをバランスよく充実させる必要があります。
そのために、MAなどのセールステックを積極的に取り入れていきましょう。
バイヤーイネーブルメントの詳しい内容は、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)とは?BtoB営業最新トレンドを徹底解説!
セールスイネーブルメントの定着
セールスイネーブルメントとは、数値化されたデータを基にして人材の育成から営業施策の設計・実行などまでを一貫して運用する手法です。
テレワークや時差出勤などによって対面での教育ができない現在において、人材育成やコーチングなどに関してもオンライン化が急務であり、それにはテクノロジーを活用した“売れる仕組み作り”であるセールスイネーブルメントが効果的です。
具体的には、SFA/CRMに蓄積されたデータを起点として育成プログラムやコンテンツを作り、セールスイネーブルメントツールを活用してトレーニングをフォローしていきます。
関連記事:セールスイネーブルメントとは?意味や事例・運用方法を紹介
また、オフィスに出社しないことによる他部門との連携も、ツール同士を連携させることでデータプラットフォームを整備することで解消できます。
営業をデジタル化するということはデータの入力や蓄積が加速するということでもあるので、せっかくのデータを活用するためにもセールスイネーブルメントの定着は必須でしょう。
セールスイネーブルメントツールのご紹介はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事:セールスイネーブルメントツールおすすめ9選
DSRの活用でセールスイネーブルメントとバイヤーイネーブルメントを実現
デジタルセールスルーム(DSR)とは、BtoB企業が見込み顧客と情報や営業コンテンツを共同し、効率的な営業活動を行うことを目的としたオンラインスペースのことです。
デジタルセールスルームでは、売り手と買い手がリアルタイムでチャットのやり取りをしたり、チャットや動画メッセージ、資料の共有などによってオンデマンドでの交流を行うことができます。これを活用することでクロージングを早めることができます。
DealPods(ディールポッズ)は営業と顧客においてやり取りされる、
- 製品紹介や提案書などの資料
- 参考Webページやデモンストレーション動画などのURL
- 議事録や案件サマリーなどのテキストメモ
- 約束や宿題、確認事項など双方のタスク管理
- 連絡や質問などのチャットコミュニケーション
これらの情報を、たったの数十秒で構築できる堅牢な招待制マイクロサイト(専用Webページ)のURL一つにまとめて共有します。
DealPodsのDeal Room機能で購買を促進(バイヤーイネーブルメント)
DealPods(ディールポッズ)のコンテンツ&コミュニケーション一元集約するDeal Room機能を活用することでこれまでEメールのスレッド内に埋もれていた提供資料や議事録を一元集約し、さらに同じ場所でチャットができるようになります。結果としてストックする情報とフロー(流れる)情報が統合され、短期でも中長期でもお客さまの興味関心を得続けることで単純接触効果を最大化されます。
DealPodsのバイヤートラッキング機能で失注リスクを察知
DealPodsのバイヤートラッキング機能(エンゲージメントレポート)の活用で、お客さま内での購買関与者の誰が、いつ、どのコンテンツに、どれくらいアクセスしていて、どんな興味と懸念点があるのかをレポーティングすることができ、上申後の棄却や最終稟議での逆転失注、コンペ負けリスクを事前排除できるようになります。DSRツールは営業活動を後押しするセールスイネーブルメントの役割も果たします。
終わりに
コロナ・ショック以降、以前よりもセールステックが営業活動に欠かせないものになっています。
従来の営業手法が通用しない今、慎重かつ大胆に新しい営業体系を構築する必要があるでしょう。
b2b営業の新しいスタンダードとなるオンライン化/デジタル化を取り入れ、これからのニーズに応えられる営業組織を作っていきましょう。
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