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オンライン化が進んで顧客の購買行動が変化していること、少子高齢化で労働力が減少していることなど、さまざまな要因から営業戦略の見直しに迫られている企業も多いことでしょう。

そのような中で「どのようにプロダクトを売っていくか」に、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、戦略の一つである「SLG(セールスレッドグロース)」について詳しく解説します。効果的なSLGを実現するための組織体制やツールも紹介するので、ぜひご参考ください。

▶▶営業・顧客情報を一元管理してSLGを実現できるツールとは?

SLGとは?

SLGとは「Sales Led Growth(セールスレッドグロース)」の略称で、直訳すると「セールス主導の成長」となります。セールス(営業担当者)がプロダクトを販売するビジネスモデルを指します。

新規顧客を獲得して商品・サービスを受注したり、既存顧客に働きかけてアップセル・クロスセルにつなげたりする施策です。

多くの企業で導入されている一般的な販売手法と言えるでしょう。

関連記事:アップセルとは?クロスセルとの違い・具体事例を解説

SLGとPLGの違い

SLGと比較されることが多い言葉が「PLG」です。

PLG(Product Led Growth:プロダクトレッドグロース)とは、プロダクト自身がプロダクトを販売することを指します。

具体的には、無料プランやトライアルなどで顧客を獲得したあと、有料プランやオプション追加などへ誘導する戦略です。PLGはZOOMやSlackなど多くのSaaSサービスで導入されている戦略で、日本でも広がっています。

PLGは、SLGのように営業担当者が直接的なセールスをしなくても、プロダクト自身で解約率低下やアップセル・クロスセルへとつなげます。

その反面、顧客との信頼関係は構築しにくいと言えるでしょう。

一方のSLGはセールス主導のため、売上は営業担当者のスキルやノウハウに影響されることがあります。

しかし、一人ひとりの顧客に対して手厚くフォローできる点はメリットです。

他の違いは、期間の違いです。SLGは長期的な関係構築を目指す一方で、PLGは迅速な売上獲得を重視します。SLGは顧客との信頼関係を築きながら売上を伸ばす一方、PLGは短期間で成果を上げることに注力します。

このようにSLGとPLGは違いがあるため、自社商材はどちらが適しているか見極めることが重要と言えます。

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SLG(セールスレッドグロース)のメリット

SLGを導入すると、次のメリットが期待できます。

顧客属性に合わせたアプローチができる

SLGは、一人ひとりの顧客に対して対応できるため、属性に合わせて柔軟にアプローチ方法を変えられます。

年齢や居住地、役職や趣味嗜好などによって、顧客の課題やニーズは異なります。そのため、すべての顧客に対して画一的なアプローチでは、成果につながりにくいでしょう。

SLGであれば、一人ひとりの属性やニーズに合わせてパーソナライズしたアプローチ方法を打ち出せます。

関連記事:PLG(プロダクトレッドグロース)とは?戦略実行のためのポイントやSLGとの違いを解説

顧客との信頼関係が構築しやすい

SLGは営業担当者が顧客に対応するため、人と人との信頼関係を構築しやすい点もメリットです。

信頼関係を構築することで、アップセルやクロスセルの提案をしやすくなります。また、サービスの契約満了期に合わせてフォローできるため、解約を防止する効果もあります。

このように、SLGにより信頼関係を構築すると、売上にも好影響がおよぶでしょう。

SLG(セールスレッドグロース)のデメリット

SLGはメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。

属人的な営業活動になりやすい

営業担当者が主体となるので、活動が属人化しやすい点はデメリットです。

顧客情報や案件進捗などが営業担当者に属人化すると、ミスや対応漏れが起きたときにマネージャーが把握できず、大きなトラブルに発展するリスクもあるでしょう。

また、営業成績が担当者個人のスキルや経験に左右されます。よって、一人ひとりで成果にバラつきが生じ、売上が安定しない場合もあります。

関連記事:営業の属人化はなぜ起こる?何が悪いのか、解消するためにやるべきこと

製品・サービス導入までに時間を要する

SLGは顧客一人ひとりに対して丁寧に対応するため、導入までの時間(リードタイム)が長くなる傾向にあります。

対応の遅れや漏れが生じると、さらにリードタイムが長引くでしょう。また、顧客側の稟議や社内申請などの対応を待つ時間も発生するため、どうしても導入までの時間が長期化します。

製品・サービスの価格が高額になりやすい

営業担当者が各顧客に対応するということは、それだけ人件費が発生していることになります。つまり、その分を製品・サービスの価格に反映しなければ割が合わなくなるため、価格が高額になる傾向です。

高額すぎると、顧客の意思決定に時間がかかりすぎたり、価格面で契約に結び付かなかったりするケースも少なくありません。

SLGを導入した企業の成功事例

現在では欠かせないツールとなっているSalesforceやOracleも、SLGを取り入れたことが急成長のカギとなっています。

2社の事例について、詳しく解説します。

Salesforce(セールスフォース)

「Salesforce(セールスフォース)」は、グローバルに展開する企業であり、主に顧客関係管理(CRM)ソフトウェアを提供する企業です。企業が効果的に顧客との関係を築くのに役立つツールとプラットフォームを提供しています。

Salesforceは、顧客を中心に据え、特にSLG戦略を主軸に据えています。この戦略は、営業活動、マーケティング戦略、およびサービス提供の三つの要素を統合し、効果的なビジネスソリューションを提供することに焦点を当てています。営業チームは顧客発見と関係構築を通じて製品やサービスの価値を伝え、これにより持続可能な成長を達成しています。

関連記事:Salesforce(セールスフォース)は役に立たない?評判・口コミ・料金を紹介

Oracle(オラクル)

Oracleは、企業向けソフトウェア、クラウドソリューション、データベース技術を提供する世界的なテクノロジーカンパニーです。おもにカスタマイズ可能で柔軟性のあるソリューションを提供し、企業が変化する市場に適応できるようにサポートしています。

Oracleは、顧客の要件や業界のニーズに対応するために柔軟な製品ラインを展開しています。顧客との強固な関係を築くことに焦点を当て、顧客が成功するための戦略的なアドバイスやサポートを提供しています。これにより、Oracleは顧客との深い結びつきを維持し、成功裡にビジネスを展開しています。

関連記事:大企業・大手企業向けSFAおすすめ6選!選び方とツールの評判を解説

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SLG実現のための組織体制と役割

成功につながるSLG(Sales-Led Growth)を実現するには、従来の一人の営業担当者が全てのプロセスを担うのではなく、「THE MODEL」と呼ばれる組織体制を構築することが重要です。

このモデルでは、営業プロセスを細分化し、異なる部門がそれぞれ専門的な役割を担当します。

THE MODELは、以下のように組織します。

  • マーケティング
  • インサイドセールス
  • フィールドセールス
  • カスタマーサクセス

それぞれどのように役割分担するのか、詳しく解説します。

マーケティング

マーケティングは、顧客と初めて接点を持つ部門です。主にリードジェネレーション(見込み顧客の獲得)を担います。

顧客の購買行動がオンライン化している現代では、自社サイトのSEO対策、SNS運用、WEB広告の出稿などの施策を講じ、自社について認知していない層へとリーチして興味を引き起こします。

また、セミナーやウェビナー(WEBセミナー)、展示会やDMなどのオフライン施策なども組み合わせる場合もあります。

自社の顧客となりえるターゲット層を分析し、効果的な施策を打ち出すことが重要です。

インサイドセールス

インサイドセールスは、マーケティングが獲得したリードのナーチャリング(育成)が主な役割です。インサイドセールスは、電話・メール・オンライン商談などを使って非対面で営業活動を進めます。

マーケティングが獲得したリードは、一人ひとり関心度が異なります。

そこでインサイドセールスは、関心度の高いリードを見極めて商談を創出したり、関心度の低いリードに継続的にアプローチして関心度を引き上げたりします。

関心度が向上した段階で、見込み度の高い商談を創出することがインサイドセールスの大きな役割と言えます。

関連記事:インサイドセールスとは?定義から組織化・有効なツールまで完全網羅

フィールドセールス

インサイドセールスが創出した商談を実行し、クロージングまで進めるのがフィールドセールスです。インサイドセールスが行った施策やヒアリングした内容を基に、効果的な提案内容を考えて成果につなげます。

一般的には対面して営業活動を行いますが、感染症対策やリモートワークなどによりオンライン商談を取り入れている企業も珍しくありません。

フィールドセールスは顧客と商談をして受注を獲得するだけでなく、場合によっては顧客の社内稟議のサポートや決裁者へのプレゼンなどを行うこともあります。

カスタマーサクセス

受注して終わりではなく、既存顧客への継続的なフォローも重要です。その役割を担う部門がカスタマーサクセスです。

直訳すると「顧客の成功」となる通り、顧客が自社商材を活用して成功するよう伴走します。

たとえば、顧客のサービス利用状況を分析して利用を促進したり、活用事例を提案してさらなる活用を促したりします。

また、アップセルやクロスセルの提案、契約満了期のフォローなどもカスタマーサクセスが行います。

関連記事:カスタマーサクセスとは?具体的な業務から2つの意識すべきことまで

SFA・MA・CRMを活用してSLGを実現する方法

上記のような組織体制でSLGを実現するためには、部門間の情報共有と業務連携が欠かせません。

たとえば「リードをどのようなマーケティング施策で獲得したのかわからず、インサイドセールス施策を打ち出せない」「インサイドセールス部門の情報が適切に共有されず、フィールドセールスの対応が遅れた」などは、よくある失敗事例です。

このような失敗をしないよう、SFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客関係管理ツール)などのデジタルツールを活用しましょう。

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各ツールを活用することで、部門連携が容易になり、各部門のKPIも共有できるため、部門間連携の更なる促進にも繋がります。

MA、SFA、CRMは単体でも使うことができますが、それぞれのツールを連携できるものもあります。ツール連携をすると、たとえば「MAに入力したリード情報がSFAに自動同期される」など、業務効率化が実現します。

ただし、社内でさまざまなツールを「連携して」使うと、管理が煩雑になる可能性もあります

例えば、MAで取得したリード情報を確認しながら、SFA側で編集する作業が発生してしまうケースは多々あるわけです。

当社の「Mazrica Sales」はSFA/CRM(CRM機能を持つSFA)ですが、MAのMazrica Marketingを併せて活用することで、マーケティングと営業の情報を連携の手間なく、1つのプラットフォーム上で一元管理できます。また、顧客に紐づいてさまざまな情報を管理できるため、カスタマーサクセス部門での活用にもおすすめです。

Mazrica製品を活用すれば、マーケティングからカスタマーサクセスまでのTHE MODELの一連のプロセスを1つのツール上で管理できるため、コスト削減・業務効率化・情報共有が実現します。

▶▶SFA/CRMの営業支援機能とマーケティング機能まで!Mazrica Salesの詳細はこちら

DSRツール「DealPods」を活用してSLGを実現する

デジタルセールスルーム(DSR)とは、BtoB企業が見込み顧客と情報や営業コンテンツを共同し、効率的な営業活動を行うことを目的としたオンラインスペースのことです。

デジタルセールスルームでは、売り手と買い手がリアルタイムでチャットのやり取りをしたり、チャットや動画メッセージ、資料の共有などによってオンデマンドでの交流を行うことができます。

DSRツール「DealPods」は顧客との専用サイトを構築できるツールです。営業活動に関する資料を一元管理し、顧客と情報を共有できます。いつ・誰が・どのコンテンツを・どのくらい見ているか把握できるため、顧客の関心度を客観的に理解できるため、顧客が求めている情報を把握する際に役立ちます。

営業フォロー(後追い営業)はなぜ重要?正しいフォロー法と便利ツール紹介|DealPodsエンゲージメントレポート

また専用サイト(ルーム)をテンプレート化することもできるので、初回商談準備のその後のアカウントプランの管理をスムーズに行うことができます。

顧客属性に合わせたアプローチができるようになりSLGを促進します。

終わりに

「営業主導のSLGは今まで通りのビジネス戦略だから、特段珍しくない」と考えている方も多いかもしれません。しかし、購買行動のオンライン化やTHE MODELのような分業型組織の普及を考慮すると、今こそ改めて見直しが必要ではないでしょうか。

また、営業組織の見直しの際には、デジタルツールも併せて検討すべきでしょう。Mazrica Salesのようにマーケティングからカスタマーサクセスまでを網羅できるツールを活用することで、今の時代に合ったSLGを展開できます。

営業活動に課題を抱えている方は、ぜひ一度当社までご相談ください。

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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