マツリカが行った調査によると、SFA(営業支援ツール)を導入して「導入前の問題が解決された」と答えた人は、9.5%と約1割に留まっています。

そこで今回の記事では、どうすればSFAを定着させられるかについてやSFAの活用ポイントについて解説します。

▶️▶️SFAの導入・運用定着に失敗しないためのステップとは?

SFAとは?

まずはSFAについて、簡単にまとめておきますね。

SFAはSales Force Automationの略で、日本語だと営業支援ツールと訳されています。

顧客や案件、営業パーソンの行動など、営業活動に関するすべてのデータの集積や分析ができ、営業活動の「見える化」を実現できます。業務効率化だけでなく、ナレッジを共有することで、組織の営業力アップ、ひいては売上アップに繋げることができるツールです。

ですが、いくら素晴らしいツールでも、上手く活用できなければ意味がなく、SFAをうまく活用するためのポイントが非常に重要になってきます。

それでは早速SFAの活用ポイントについてみていきましょう。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いは?意味・役割・主な機能を徹底解説

SFAの基本的な使い方とは?

次に、SFAの基本的な使い方や機能の概要について解説していきます。

顧客管理機能

SFAの機能としてまず初めに挙げられるのは、顧客管理機能です。 顧客管理機能では、企業名をはじめ、住所、電話番号、担当者、決済者の情報などを管理します。

過去のコミュニケーション履歴なども残せるため、担当者以外でも素早く顧客の情報を引き出し、対応することが可能です。

顧客管理機能を活用することで、コミュニケーションコスト削減や顧客への対応速度の改善に繋がります。

顧客管理の詳細、管理方法はこちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:顧客管理とは?エクセルやシステムでの管理方法を分かりやすく解説

案件管理機能

案件管理機能では、見込み顧客に初めて営業をしてから、受注に至るまでのプロセスを管理する機能です。

過去の提案商品の内容、見積り、営業活動の進捗、案件の成約確度、受注予定日、商品金額を管理することができます。

営業進捗が芳しくない案件などをチーム内で共有することで、担当者以外でもボトルネックを発見できるとともに、失注を防ぐことに寄与します。

関連記事:SFAで案件管理をするメリットとは?Excelや日報では案件を管理しきれない!

行動管理機能

行動管理機能は営業活動管理機能とも呼ばれ、営業担当が行う活動を可視化するための機能です。

営業担当に紐づく数字としてコール数、アポイント件数や訪問件数などがあります。

また行動の予定を管理することで無駄を減らし、より質の良い営業活動をするための営業プロセス改善に繋げることが可能です。

関連記事:行動管理とは?営業の管理方法とPDCAサイクルの回し方

予実管理機能

予実管理機能では、納品予定日と各商品の金額を元に売上を予測、また予算と実績を比較しながら進捗を管理することができます。

商品やチームごとなど、様々な切り口での予実管理をリアルタイムで行い、より正確な売上予測を出すことで、目標達成に向けて効率的な営業活動を行うことができます。

関連記事:予実管理とは?進め方5つのステップと営業管理の方法や成功のポイントを紹介

レポーティング機能

レポーティング機能では、営業活動や顧客の行動など、SFAに蓄積されたデータを集計および分析することが可能です。

日々の営業活動の分析や、営業会議・経営会議の場でも活用できる機能です。

なぜSFAの活用に失敗してしまうのか?

実際に、SFAを導入した企業の半数がうまく活用できずに失敗に終わっています。

理由として考えられるのは、以下の通りです。

  • 入力する項目が多すぎる
  • データ入力が定着しない
  • データが正しく入力されない
  • 解決したい課題・目的が不明確
  • 新しいシステム・業務フローに馴染めない
  • データを私有財産だと考えている

では、SFAの活用で失敗しないためには何が必要なのでしょうか?
次の章では、SFA活用のためのポイントについてお伝えします。

関連記事:SFA導入に失敗しがちなのはなぜ?失敗の原因と導入の際に気をつけるべきポイント

SFA活用のための8つのポイント

SFAを活用するためのポイントは以下の8個です。

  • 目的・課題を明確にする
  • 研修やサポート体制を整える
  • 行動目標や成果目標のKPIを設定する
  • SFAのデータ分析の基本を理解する
  • SFA活用を習慣化させ、扱いに慣れるためのサポートを行う
  • 自動入力・データ連携が可能なSFAを導入する
  • 自発的に質の高いデータ入力をさせる
  • 課題解決に役立つデータを入力する

それぞれの活用ポイントを確認していきましょう。

目的・課題を明確にする

導入する目的、つまり導入によって解決したい課題を明確にしておくことが必要です。

たとえば、案件の進捗管理をしたい、属人化している情報をみんなで共有したいなど、導入の目的を営業メンバーにもしっかりと伝えておきましょう。

以下の図のように、「営業生産性向上のためにどの指標をどれだけ改善できるのか」を意識すると良いでしょう。

 

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研修やサポート体制を整える

最近は、直感的に使えるツールも増えてきましたが、それだって全員が使える保障はありません。

そのため「全員に教える必要がある」と想定して、導入後の研修やサポート体制を考えておくべきでしょう。

研修自体はサービスを提供しているベンダーやIT部門でもOKですが、メンバーからのちょっとした質問に対応するためにも、営業マネージャーは使いこなせるようになっておいてください。

その他に効果的な方法として、導入前の時点で営業メンバーにデザインや操作についての要望を聞いておくと、導入から定着までスムーズに進みます。

関連記事:オンライン研修とは?種類・選び方とツール・サービスを紹介

行動目標や成果目標のKPIを設定する

入力が必要だと考えるからには「各フェーズのKPIと実績を比べることで、改善策や打ち手を考えたい」といった使用目的が、必ずあるはずです。

設定した目的に沿ったもの以外で「使うかもしれない」「あったら便利」という項目は、思い切って外しましょう。

最初は、シンプルな機能だけに絞って、入力に慣れてもらうのが肝心です。

▶︎▶️【実は50%以上の企業が課題あり?!】失敗しないSFA導入手順とは?

たとえば、最低限、上記のような行動指標と成果目標をKPIに置くと良いでしょう。
もし本当に必要なものがあれば、後から追加しても遅くはないのですから。

関連記事:KPIとは?営業のKPI設定方法とKGIとの違いを簡単に解説

SFAのデータ分析の基本を理解する

データ分析には、使う場面によっていろんな手法がありますが、SFAを使うという前提であれば、以下の基本さえ抑えておけば問題ありません。

  1. データ分析をすることで、何を知りたいのかを明確にしておく
  2. SFAでデータを収集する(営業メンバーに入力してもらう)
  3. ①で設定したものに該当するデータを見て、解釈をする(たとえば、受注率が低い理由を知りたいのであれば、テレアポから受注までの各フェーズで突出して低いところがないかを調べる)
  4. ④解釈したデータから仮説を立て、改善策を考える

なお、営業ファネルをどうやって分析し、どのように活かすのかについては、以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。

関連記事:データドリブン営業とは?データドリブンセールスパーソンの育成方法!

SFA活用を習慣化させ、扱いに慣れるためのサポートを行う

繰り返しになりますが、SFAは導入して終わり、ではなく、使い続けることで効果を実感したり、成果に繋げることができるものです。

使いこなせる&使い続けられるようにするためには、マネージャーのサポートとフォローが欠かせません。

特に注意が必要なのは、導入から1週間〜1ヶ月くらいの期間です。

この時期に研修やフォローなどを集中して行うことで、ツールに対して苦手意識が芽生える前に、入力を習慣化することができます。

もちろん1ヶ月が過ぎたからといって、安心してはいけません。

その後も定期的に入力率を確認したり、使いこなせていないようであればフォローすることが大切です。

▶︎▶️【実は50%以上の企業が課題あり?!】失敗しないSFA導入手順とは?

自動入力・データ連携が可能なSFAを導入する

今のところ、100%入力しなくてもいいSFAはありませんが、メールの自動連携やカレンダーの連携などの機能があれば、限りなく入力項目を少なくすることができます。

SFAを選ぶ際には、こうした点も踏まえて検討してみてください。

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自発的に質の高いデータ入力をさせる

入力することも大事ですが、同じくらいデータの質にも気を配ってください。

なお、入力率が低いメンバーへ入力を促す際に、頭ごなしに「入力しろ」と言ってしまうのはNGです。

これでは、入力することが目的と理解してしまいます。

「この前共有してもらったクロージングの内容、すごくよかったよ。」など、入力した情報が課題解決の役に立ったり、他のメンバーにとって必要な情報だったことなど、ポジティブで具体的な話を伝えるようにしましょう。

>これにより、漫然と入力するのではなくその先まで見据えた作業にすることができるので、質の高いデータが集まるようになります。

関連記事:【文系でもわかる】データ分析とは?目的や流れ・仮説思考を用いた分析手法を紹介

課題解決に役立つデータを入力する

たとえば、受注を獲得するための勝ちパターンを見つけることが目的の場合は、「受注理由」を入力することで、受注した顧客が実際に抱えている課題がわかります。

このように、各項目を具体的にどうやってデータ分析に使うのかまでを考えた上で、設定することが必要です。

関連記事:営業データ分析の手法3つ!見るべき項目やSFAを活用した分析手法>

SFAを導入する際の4つのポイント

それでは最後に、SFAの導入時に考えるべき、4つのポイントをご紹介いたします。

UI/UXの良いツールを選ぶ

現場の入力負荷が最小限、外出先でも使用できるなど、営業メンバーの使いやすさを第一に考えましょう。

たとえば、弊社が提供しているSFA/CRMのなら、特別な関数やテクニックを使う必要なく、ツール内のデータを簡単にグラフ・レポートにおこすことができます。

また、上の画像のように、案件の進捗情報が色別のカード形式で表示される案件ボードがあり、ネクストアクションが誰でも直感的に理解できるようになっています。

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自社と相性の良いSFAを見極める

導入するSFAを決める時には、自社の営業スタイルやニーズにマッチした製品を選ぶことが大切です。

導入の目的や解決したい課題が明確であれば、求める機能やサービスの要件が見えてくるはずです。

自社の業種・業態に適した使い勝手の良い製品を選べば、失敗のリスクを最小限に抑えられます。 とはいえ、SFAと銘打った製品はたくさんあり、比較検討をして自社に合った製品を選ぶのは骨の折れる作業です。

以下の資料では、40種類以上のSFAから自社にあった製品を見つけることができます。 導入するSFAを決めかねている方は、ぜひチェックしてみてください。

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活用事例・導入実績を確認する

SFAは多くの種類があり、自社に最適なものを見つけるために、比較検討が不可欠です。

その際の有力な判断材料として、同業他社の導入実績が参考になります。 なぜなら、同業種で採用されている製品には、その業界特有のニーズに合わせた機能が盛り込まれている可能性が高いからです。

過去の導入事例を確認することで、自社で導入した際の運用イメージがつきやすくなるメリットもあります。

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運用定着のサポート体制を確認する

SFAで分からないことがあった時に、「すぐに」「簡単に」問い合わせることができ、解決できるのが重要です。

Web経由やメールでの問い合わせだけだと、文章を考えたり入力するのが面倒になってしまうので、できれば電話の窓口があるとベスト。

また、ユーザーの不満や要望に対して、すぐに対応してくれるかどうかもポイントです。

なお、定着するためのポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:SFA運用定着に必要な3原則とは?成功事例に学ぶ運用定着の考え方

まとめ|SFAの導入・定着でつまずかないために

ここまでSFAを正しく活用するためのポイントを紹介してきました。

SFAをうまく活用することで、営業活動における業務効率化や社内でのナレッジの蓄積など、さまざまなメリットがあります。

一方でどんなに素晴らしいSFAツールを導入してもうまく活用できないと意味がないのも事実です。

本記事でお伝えした8つのポイントを押さえながら正しくSFAツールを利用しましょう。

SFA活用のポイントは理解したが、実際の導入手順に不安が残る…」という方は、失敗しないSFAの導入手順と導入事例についてまとめたシートを下記より無料ダウンロードできますのでぜひ参考にしてください。

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Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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