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マツリカが行った調査によると、SFA(営業支援ツール)を導入して「導入前の問題が解決された」と答えた人は、9.5%と約1割に留まっています。
そこで今回の記事では、課題が解決できずに失敗する原因の中でもよくある8つの理由と、どうすればSFAを定着させられるのかについて、お話したいと思います。
▶︎SFA導入の失敗理由や成功の秘訣はこちらの資料をご覧ください
まずはSFAについて、簡単にまとめておきますね。
SFAはSales Force Automationの略で、日本語だと営業支援ツールと訳されています。
顧客や案件、営業パーソンの行動など、営業活動に関するすべてのデータの集積や分析ができ、営業活動の「見える化」を実現。業務効率化だけでなく、ナレッジを共有することで、組織の営業力アップ、ひいては売上アップに繋げることができるツールです。
ですが、いくら素晴らしいツールでも、上手く活用できなければ意味がありません。
こうした失敗を未然に防ぐには、失敗の原因を導入前に知っておくことが有効です。(SFAについての詳細な説明はこちら)
それでは早速、SFAを活用できない8つの原因を見ていきましょう。
この記事の内容
1.ツールを導入することが目的になってしまう
SFAはあくまでも目的を達成するための手法、ツールでしかありません。
ですが、入力することがゴールになってしまっているケースをよく見ます。
こうなると、誰が、何のために使うデータなのかもわからなくなってしまいますし、もちろん成果に繋げるなんてことは、夢のまた夢です。
<失敗を防ぐには・・・>
導入する目的、つまり導入によって解決したい課題を明確にしておくことが必要です。
たとえば、案件の進捗管理をしたい、属人化している情報をみんなで共有したいなど、導入の目的を営業メンバーにもしっかりと伝えておきましょう。
以下の図のように、「営業生産性向上のためにどの指標をどれだけ改善できるのか」を意識すると良いでしょう。
▶︎【実は50%以上の企業が課題あり?!】失敗しないSFA導入手順とは?
2.ITリテラシーが低くて使いこなせない
社員の年齢層や男女比、社内で使っているシステムなどの違いによって、ITリテラシーは会社ごとに違いますし、もちろん個人差もあります(若いからリテラシーが高い、というわけでもないんですよね)。
<失敗を防ぐには・・・>
最近は、直感的に使えるツールも増えてきましたが、それだって全員が使える保障はありません。
そのため「全員に教える必要がある」と想定して、導入後の研修やサポート体制を考えておくべきでしょう。
研修自体はサービスを提供しているベンダーやIT部門でもOKですが、メンバーからのちょっとした質問に対応するためにも、営業マネージャーは使いこなせるようになっておいてください。
その他に効果的な方法として、導入前の時点で営業メンバーにデザインや操作についての要望を聞いておくと、導入から定着までスムーズに進みます。
3.入力項目が多すぎる
経営層やマネジメント側は、将来的なことを考えて「あれもこれも」データをとっておきたがる傾向があります。
気持ちはわからなくもないのですが、たとえば、20項目を入力するのに30分以上もかかってしまい、それが毎日続くとしたらどうでしょうか?
現場の営業には、たいへんな労力がかかってしまいますよね。
<失敗を防ぐには・・・>
入力が必要だと考えるからには「各フェーズのKPIと実績を比べることで、改善策や打ち手を考えたい」といった使用目的が、必ずあるはずです。
こうした目的に沿ったもの以外で「使うかもしれない」「あったら便利」という項目は、思い切って外しましょう。
最初は、シンプルな機能だけに絞って、入力に慣れてもらうのが肝心です。
最低限、上記のような行動指標と成果目標をKPIに置くと良いでしょう。
もし本当に必要なものがあれば、後から追加しても遅くはないのですから。
4.データ分析のスキルがない
SFAは、導入しただけで知らず知らずのうちに、何かができるようになったり、売上がアップするような魔法のツールではありません。
集めたデータから課題を見つけたり、次のアクションや改善策を考えるための「考える材料を提供してくれるツール」と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。
つまり、使う人がデータを分析する必要があるということです(データを眺めて、一喜一憂しててもしょうがないですからね)。
<失敗を防ぐには・・・>
データ分析には、使う場面によっていろんな手法がありますが、SFAを使うという前提であれば、以下の基本さえ抑えておけば問題ありません。
①データ分析をすることで、何を知りたいのかを明確にしておく
②SFAでデータを収集する(営業メンバーに入力してもらう)
③①で設定したものに該当するデータを見て、解釈をする
(たとえば、受注率が低い理由を知りたいのであれば、テレアポから受注までの各フェーズで突出して低いところがないかを調べる)
④解釈したデータから仮説を立て、改善策を考える
なお、営業ファネルをどうやって分析し、どのように活かすのかについては、データドリブンな指導で営業効率を上げる方法とは?でまとめているので、合わせてご覧ください。
5.営業マネージャーが現状を把握しようとしない
SFAを導入してしばらくすれば、なんとなくみんなが使い方を覚えて、上手く使いこなせるようになるだろう・・・というのは、マネジメント側だけの都合のいい思い込みです。
<失敗を防ぐには・・・>
繰り返しになりますが、SFAは導入して終わり、ではなく、使い続けることで効果を実感したり、成果に繋げることができるものです。
使いこなせる&使い続けられるようにするためには、マネージャーのサポートとフォローが欠かせません。
特に注意が必要なのは、導入から1週間〜1ヶ月くらいの期間です。
この時期に研修やフォローなどを集中して行うことで、ツールに対して苦手意識が芽生える前に、入力を習慣化することができます。
もちろん1ヶ月が過ぎたからといって、安心してはいけません。
その後も定期的に入力率を確認したり、使いこなせていないようであればフォローすることが大切です。
6.現場が入力を嫌がる
入力項目をどれだけ少なくしても、入力そのものが嫌なメンバーもいると思います。
<失敗を防ぐには・・・>
今のところ、100%入力しなくてもいいSFAはありませんが、メールの自動連携やカレンダーの連携などの機能があれば、限りなく入力項目を少なくすることができます。
SFAを選ぶ際には、こうした点も踏まえて検討してみてください。
7.データ入力を目標にしてしまう
「1.ツールを導入することが目的になってしまう」でお話したように、入力そのものが目的となってしまうと、データの入力件数や入力率といった管理指標が出てきてしまいます。
こうなると、営業メンバーは入力することだけに重きを置くため、週末や月末に慌てて入力をすることになり、その結果、間違いや嘘の情報が増えていきます。
<失敗を防ぐには・・・>
入力することも大事ですが、同じくらいデータの質にも気を配ってください。
なお、入力率が低いメンバーへ入力を促す際に、頭ごなしに「入力しろ」と言ってしまうのはNGです。
これでは、入力することが目的と理解してしまいます。
「この前共有してもらったクロージングの内容、すごくよかったよ。」など、入力してもらうことにより評価が上がる、みんなのためになる、といったポジティブな話を伝えることで、自発的に入力するようになり、質の高いデータが集まるようになります。
8.入力項目を適当に設定している
何を管理し、分析し、どんな課題を解決したいのかが明確になっていないと、必要な項目だけを切り出すことができません。
そうなると当然、見当違いなものや不要なものを設定してしまうことになります。
<失敗を防ぐには・・・>
たとえば、受注を獲得するための勝ちパターンを見つけることが目的の場合。「受注理由」を入力することで、受注した顧客が実際に抱えている課題がわかります。
このように、各項目を具体的にどうやってデータ分析に使うのかまで考えた上で、設定することが必要です。
SFAを定着させるための3つのポイント
それでは最後に、SFAの選択・導入時に考えるべき、定着させる3つのポイントをご紹介いたします。
①UI/UXの良いツールを選ぶ
現場の入力負荷が最小限、外出先でも使用できるなど、営業メンバーの使いやすさを第一に考えましょう。
②営業メンバーにメリットを理解してもらう
入力をするという作業は増えるというマイナスの要素に対して、
・自分で情報をまとめたり集計したりする必要がない→工数削減
・みんなのデータを共有することで新たな知識やノウハウを得られる→自分が成長できる、チームの売上が上がる
・・・といった大きなメリットがあることを、できれば導入前に理解・納得させるようにしましょう。
③カスタマーサクセス思想のあるツールを選ぶ
SFAで分からないことがあった時に、「すぐに」「簡単に」問い合わせるができ、解決できることが重要です。
Web経由やメールでの問い合わせだけだと、文章を考えたり入力するのが面倒になってしまうので、できれば電話の窓口があるとベスト。
また、ユーザーの不満や要望に対して、すぐに対応してくれるかどうかもポイントです。
なお、定着するためのポイントについてはSFA(営業支援ツール)定着のため3つの選定基準【成功事例付】で詳しく解説しています。
まとめ
SFAを活用できずに失敗してしまう原因は、以下の8つでした。
1.ツールを導入することが目的になってしまう
2.ITリテラシーが低くて使いこなせない
3.入力項目が多すぎる
4.データ分析のスキルがない
5.営業マネージャーが現状を把握しようとしない
6.現場が入力を嫌がる
7.データ入力を目標にしてしまう
8.入力項目を適当に設定している
こうして一覧にして眺めてみると、「人」に起因するものがほとんどだということが、よくわかります。
言い換えれば、導入の決定とフォローを行う営業マネージャーと、日々の入力を行う営業メンバーの考え方や取るべき行動こそが、成功するかどうかの分かれ目だということです。
まずは、8つの項目のうち自社でネックになりそうなところを考えてフォロー体制を整えたり、営業メンバーにどのくらいの時間なら入力する時間が取れるのかを聞いてみたりしてください。
焦って導入してもいいことはありません。
無料トライアルなども上手く使って検討していただければと思います。
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